警察官を装う「ニセ警察詐欺」において、女性がビデオ通話中に「身体検査」を理由に裸を要求される性的被害が相次いでいる。兵庫県内では昨年から今年4月末までに16件確認され、県警が警戒を呼びかけている。
被害の実態と手口
県警によると、被害に遭ったのは10~40代の女性で、昨年は13件、今年は4月末までに3件の届け出があった。警察官を名乗る人物からビデオ通話を指示され、「犯人かどうか確かめる」と言われて全裸にさせられたり、行動確認としてトイレや入浴時の様子を撮影させられたりしたという。
ニセ警察詐欺は従来、警察官をかたって「口座の調査」などと偽り金品をだまし取る手口が主流だった。しかし近年はビデオ通話で警察手帳や逮捕状を示して取り調べを装い、「無実を証明する保証金」名目で振り込ませるケースに加え、性的な要求をする被害が確認されている。
セクストーションへの発展リスク
全国でも同様の事例があり、裸を撮影させた上で「録音・録画している」「全国にばらまく」と脅されるケースも報告されている。こうした行為は、SNSなどで性的画像や動画を送らせて金品を要求する「セクストーション(性的脅迫)」と呼ばれる手口に発展する恐れがある。
県警は「警察が捜査の目的でビデオ通話に誘導することはない。裸になるよう要求することも絶対にない」と強調。被害防止策として、特殊詐欺の疑いがある番号の着信を拒否できるスマートフォンアプリの利用を呼びかけている。
県内の詐欺被害の深刻化
ニセ警察詐欺の兵庫県内での被害は今年1~5月に243件(前年同期比4件増)で、被害額は約24億7300万円と前年同期比で8割増加した。特殊詐欺全体の被害額も過去最悪だった昨年の約85億円をすでに上回り、101億6000万円に達している。



