熊本県での地震発生から2日後、災害派遣精神医療チーム(DPAT)として同県宇城市の病院へ派遣された肥前精神医療センター(佐賀県吉野ヶ里町)の精神科医長、遠藤光一さん(57)が、読売新聞の取材に応じ、患者移送の様子を振り返った。
移送の経緯
全国DPAT事務局から患者移送の要請を受け、同センターのDPATは7月30日午後0時半頃にバスで出発し、2時間ほどで宇城市の病院に到着。病棟はスプリンクラーが誤作動したのか床が水浸しだった。電気は通っていたが、断水は続いていた。
遠藤さんらは症状や薬などの資料を受け取り、移送する患者とともにバスで同センターへ戻った。70~90歳代の認知症患者15人はいずれも着の身着のままだった。移動中は不安からか、遠藤さんの手を握り続けた患者もいた。同日午後5時半頃に到着し、移動中に症状が悪化した患者はいなかったという。患者たちは宇城市の病院の体制が整うまでセンターで療養する。
今後の支援
県によると、5日現在、県内では2か所の医療機関のDPATが被災地から計19人を移送した。遠藤さんは「被災から時間がたち、失ったものや未来への不安で調子を崩す人もいる。長期的な支援が必要になるだろう」と語った。



