8月6日、81回目の原爆忌を迎えた広島は、朝から鎮魂の祈りに包まれた。被爆3世の東京大学4年生、牟田悠一郎さん(23)は、海外から式典に参列した人々の通訳を務めた。牟田さんは12年前、こども代表として「平和への誓い」を読み上げて以来、平和への思いを胸に歩んできた。
祖父の被爆体験が原点
牟田さんが平和への関心を持ったきっかけは、広島市立小学校6年生の時の学校の課題。祖父に被爆体験を聞いた。祖父は爆心地から約1.8キロの場所で被爆。自身は無事だったが、大やけどを負った父親の傷口に湧いたウジ虫を取った経験などを語った。
「祖父の話を聞くまで、原爆は遠い感じだった」と振り返る。その衝撃を作文にしたことがきっかけで、こども代表に選ばれた。
平和への誓いから通訳へ
「誓い」を読み上げた経験は、「自分が平和のために何ができるのかを考えるきっかけになった」という。高校2年時には「高校生平和大使」として核兵器廃絶を訴え、大学1年の2022年には、核拡散防止条約(NPT)再検討会議のために渡米した被爆2世の通訳も務めた。
この日は、海外からの参列者を式典会場の平和記念公園まで案内し、広島平和記念資料館などについて英語で説明。「世代や国境を超えて被爆者の思いを伝え続けたい」と語った。



