同志社理事長辞意は中途半端で遅すぎる 責任の所在あいまいなまま再発防止は不可能
同志社理事長辞意 責任の所在あいまい 社説

沖縄県名護市辺野古沖で船2隻が転覆し、研修旅行中の同志社国際高の女子生徒らが死亡した事故で、同高を運営する学校法人同志社は、八田英二理事長が今年度中に引責辞任し、西田喜久夫校長を8月末付で解任することを明らかにした。

理事長は総長職と理事に留任

八田氏は理事長を辞任しても、高校などを含め同志社の教学全体に責任を持つ総長の職と理事にはとどまる見通しだ。責任の取り方として中途半端で遅すぎる。これでは、けじめをつけることになるまい。

文部科学省の調査や同志社が設置した第三者委員会の調査で、学校側の安全管理の杜撰(ずさん)さが明らかになっている。生徒が乗っていたのは米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する活動に使われていた「抗議船」だ。文科省は安全管理上の不備を指摘したのに加え、教育の中立性を定めた教育基本法違反だと認定した。

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遺族が求める説明と検証

亡くなった女子生徒の遺族は「法人の最高責任者が事故の責任を認めたことは重く受け止めている」とした上で、「辞任という区切りによって、検証が簡素になることは避けてほしい」とコメントした。もっともな願いだ。

西田校長の具体的な解任理由も明確にされていない。解任について同志社は「事故前後の対応を含め」判断したというが、遺族はコメントの中で「どのような対応がどのように評価された結果なのか説明を求めたい」とした。責任の所在があいまいでは、再発防止はかなわない。

遺族が学校側に求めているのはいつまでに何をするのか、具体的な再発防止計画と経過の公表だ。なぜこれほど杜撰で危険な活動が「平和学習」の名の下に行われてきたのか、事故を招いた構造を徹底的に検証し、説明責任を果たすべきだ。

刑事告訴と今後の捜査

松本洋平文科相も「これをもって学校法人、高校としての対応が終わるものではない」と述べた。安全管理意識の欠如など、第三者委の報告書が指摘した問題点への対応も明確になっていない。

生徒の遺族は、校長や引率教員、船を運航した「ヘリ基地反対協議会」の関係者を業務上過失致死傷罪などで刑事告訴している。事故原因究明と刑事責任の追及は不可欠で、厳正な捜査が必要だ。

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