能登半島地震の教訓を生かし、石川県教育委員会は被災した学校の早期再開を支援する「災害時学校支援チーム(D-ESTいしかわ)」を2026年10月に発足させる。6月30日には金沢市内で初めてのチーム養成研修が開催され、教職員ら102人が参加。授業再開の手順や学校が避難所となった場合の運営方法などを学んだ。
珠洲市教育長が講師に
研修では、珠洲市教育委員会の吉木充弘教育長が講師を務め、能登半島地震の経験を詳述。同市では他府県からの支援により、発生から約3週間で全小中学校が再開したと説明。「学校支援チームは、教職員個人の使命感や自己犠牲に依存した防災体制から脱却する意味でも意義深い」と強調した。
チームの構成と派遣体制
D-ESTいしかわは、公立学校の教諭や事務職員、県教委職員らで構成され、1チーム3~4人。被災自治体からの要請に基づき、4日間をめどに派遣され、学校再開の見通しが立つまで繰り返し派遣される。平時は各校で防災教育のリーダーとして、避難訓練の運営や防災教育の講師を務める。
能登半島地震では、県内約85%の学校で敷地や設備に被害が発生。校舎や体育館が避難所となったため、奥能登地域を中心に多くの学校で再開の見通しが立たなかった。地震発生5日目以降、兵庫県や熊本県など6府県から延べ260人の学校支援チームが珠洲市や輪島市など4市町で支援を開始。片付けや教材準備、仮設トイレ設置などに尽力し、珠洲市では1月下旬、輪島市では2月上旬に全小中学校の再開を実現した。再開後も代替授業や登下校時の交通指導など、現地教職員のサポートを継続した。
参加者の声
研修に参加した珠洲市立みさき小の正井翼さんは、地震当時輪島市立河井小で授業支援に携わった経験から「支援のあり方を改めて学びたい」と述べた。2次避難の児童を見守った能美市立宮竹小の養護教諭・辰己衣澄さんは「必要な知識を持ち、災害現場で役に立てたら」と意気込んだ。
今後の予定
県教委は9月と10月にも研修を実施し、10月にはチーム発足式を同時に行う予定。D-ESTいしかわは、都道府県単独では対応できない広域災害時に、被災自治体からの要請に基づき派遣される仕組みで、今後の防災体制強化に貢献することが期待される。



