千葉県を襲った豪雨は、都市型水害のリスクを浮き彫りにした。車内に閉じ込められる被害が相次いだためだ。県内では13日夕から14日未明にかけて線状降水帯が発生し、千葉市では平年の8月の3倍の雨が降るなど記録的な豪雨となった。気象庁は、大雨と土砂災害で最も危険度が高いレベル5特別警報を初めて発表した。死者と行方不明者は合わせて10人を超えた。
冠水時の車内からの脱出方法
猛烈な雨で排水が追い付かず、各地で道路が冠水した。帰宅時間帯と重なったこともあり、多くの人が浸水しながら車で走行し、生命の危険にさらされた。冠水時の走行リスクを十分に知らず、どうすべきか迷いながら運転した人も多かったのではないか。同様の事態はどこでも起こり得る。命を守る知識をしっかり備えたい。
国土交通省によると、車内に浸水するとエンジンが停止する恐れがある。水流がある場合は車が流される可能性もあり、非常に危険だ。冠水した道路に安易に進入してはならない。水深がドアの下端にかかると水圧でドアを開けるのが難しくなり、ドアの高さの半分を超えるとほぼ開けられなくなる。窓も開かない緊急事態に備え、ガラスを割る脱出用のハンマーを常備することが欠かせない。同省や日本自動車連盟(JAF)のサイトで冠水時の注意や脱出方法などを確認できる。
アンダーパスの危険性と対策
立体交差するために掘り下げられたアンダーパスと呼ばれる道路は特に危険だ。雨水が集まりやすいためで、今回の豪雨でも車が水没し死者が出た。現場の国道では排水ポンプが作動していなかったという。原因究明と対策が急務だ。
水害は河川の氾濫が注目されがちだが、アスファルトの道路が多い都市部では、今回のように雨水があふれる内水氾濫にも十分に警戒する必要がある。水害の激甚化が進む中、クルマ社会に潜む危険性や、夜間の急な避難における状況判断の難しさなど、教訓とすべきことが多い。
今後の課題と教訓
2000台以上の車両が放置され、撤去が難航していることも今後の課題だ。帰宅困難者があふれた駅周辺で県や市が庁舎を開放したことは適切だった。この経験を首都直下地震などに生かしたい。



