千葉県を襲った記録的な豪雨は、全国4位の農業産出額(令和6年)を誇る「農業県」に深刻な打撃を与えた。畜産や水産を含めた被害総額は少なくとも約19億円に上るとみられる。発生から20日で1週間を迎え、被害の全容が明らかになる中、農家からは悲痛な声が漏れている。
ニンジン畑6割冠水、種まき直しに追われる
ニンジンやサトイモなどの根菜類を生産する八街市の中村光良さん(50)の農地も被害を受けた。ニンジン畑(1ヘクタール)は約6割が冠水。被害の5日前に種をまいたばかりだったが、芽が水没したり土砂をかぶったりした。中村さんは「最悪のタイミング」とこぼし、種のまき直し作業に追われている。
これまで中東情勢の悪化による資材や燃料の高騰に苦しんできた農家を、今回の豪雨が直撃した格好だ。中村さんは「資材費が高くてもがまんしてきたが、今回の被害で心が折れそうになった。過去最大級だ」と肩を落とす。19日に現地を視察した鈴木憲和農林水産相には支援を求めた。
コメや落花生にも被害拡大の懸念
県内の農業被害は、産出額で全国1位のニンジンにとどまらない。品目別では、コメが被害面積約1260ヘクタール、被害額約1億5800万円で、いずれも最大とみられる。収穫しても品質面で出荷を断念するケースも予想され、被害はさらに広がる可能性がある。国産で産出額トップの落花生も多くが冠水し、出荷量が減るとの指摘もある。
ビニールハウスやポンプの水没に加え、農地や農道の崩壊も相次いだ。県は復旧を目指し被害農家への支援に乗り出す構えで、熊谷俊人知事は20日、「復旧と次の営農に意欲を持って臨んでもらえるようサポートしたい」と記者団に語った。



