タイの首都バンコクの繁華街にあるパブで12日深夜に発生した火災により、14日までに30人の死亡が確認された。出火当時、現場のパブで演奏をしていた男性が、瞬く間に炎に包まれた店内の惨状を語った。タイでは過去にも繁華街で多数の死者を出す火災が起きている。
少なくとも男女30人が死亡
火災は12日午後11時55分(日本時間13日午前1時55分)ごろに発生。消防当局や現地メディアの報道によると、出火当時、店内には約300人の客がいたという。天井のエアコンが火元とみられ、30分ほどで鎮火したものの、14日までに30人の死亡が確認された。負傷者は70人を超え、このうち24人が重傷を負ったという。
SNSに投稿された出火直後とされる動画には、店の入り口から外に向かって激しく炎が噴き出し、悲鳴を上げて客が逃げ出す様子が映っている。地元紙バンコク・ポストは、犠牲者の多くが店内奥のトイレに逃げ込み、煙を吸い込んで死亡したと伝えた。
天井を伝って迫る炎
鎮火後の13日に現場を訪れると、周辺には鼻を突くような刺激臭が漂っていた。割れた窓ガラスから店内をのぞくと、焼けこげたドラムセットや、テーブルの上に残された無数の瓶が見えた。
アナン・プラサートさん(36)は、出火当時店内で演奏していたバンドのメンバーだ。「演奏中に天井のエアコンから火花が出ているのに気づいた。すぐに火が天井を伝って広がり、店内は一瞬で煙と炎に包まれた。客たちは悲鳴を上げて出口に殺到したが、多くの人が逃げ遅れた。きっと病院に運ばれた人もいるだろうが、中には助からなかった人もいると思う」と語った。
タイでは過去にも繁華街で火災が発生し、多数の犠牲者を出している。2009年にはバンコクのナイトクラブで火災があり、60人以上が死亡した。今回の火災でも、安全基準の順守や消防設備の点検が改めて問われている。



