イオンは29日、熊本地震後に発生した商業施設「イオンモール熊本」(熊本県嘉島町)での爆発事故を受け、熊本市内で記者会見を開いた。吉田昭夫社長は死傷者を出したことについて「尊い命を失われた方々がおられる事態を招き、大変重く受け止めている。慚愧の念に堪えない」と謝罪。全国のイオンモールでガス設備などの緊急点検を行う方針も示した。
会見の主な内容
吉田氏は、地震発生から約30分で顧客と従業員が平面駐車場に避難し、その約50分後に爆発が発生したと説明。当時約3000人の顧客と1300~1500人の従業員がいたと明かした。死傷者については「誠心誠意対応していく」と述べ、被害に遭った人々の救助に必要な支援を最大限行うと約束した。
避難の経緯と従業員の行動
地震発生から爆発までの約1時間半の間、従業員はどのような作業をしていたのかとの質問に、吉田氏は「約30分で従業員を含め、ほぼ皆さんが避難できた。死亡された方が、なぜそこから1時間、館内にいたのかはわからない」と答えた。家に帰るために必要なものを取りに戻った可能性に触れつつ、確認は取れていないとした。また、「我々のマニュアルでは、いったん避難した者は館内に入らないのがルールだ」と述べ、再入館を許可した事実は「一切ない。明確に否定する」と強調した。被害に遭ったのは全員専門店の従業員だと説明した。
避難の対応に差があったかとの問いに、大野恵司イオンモール社長は「まずはお客様を逃がすことを最優先に、テナントの従業員を含めて取り組んでいただいた。その後はテナントの従業員もイオン従業員も一斉に避難する。そこに差はない」と答えた。吉田氏はマニュアルの徹底について「基本的には専門店の方も含めた訓練を年2回やっている。お客様の誘導については徹底されたが、その後は徹底的でなかったのかと言われればそうかもしれない」と認めた。
ガス爆発の可能性と点検
爆発時、ガスが漏れていたとの報道について、吉田氏は「ガス爆発の可能性が高いという見解も出ているが、消防から正式な見解が出ていないので、確定することは現段階でできない。情報は全て消防等と共有し、原因究明に時間をかけないよう最善の努力をしたい」と述べた。大野氏は「(ガスの供給タンクの)遮断弁や、バルブを閉めるといったことがあるので、そこについてはどういう状況だったのか、消防と一緒に原因を追求する段階だ」と説明。吉田氏は、供給ガスによる爆発は東日本大震災時もなく「初めてのケース」で想定できなかったとし、全国のイオンモールで法定点検と定期点検とは別に緊急点検を開始するとした。
今後の対応
イオンモールは防災拠点として自治体と連携しているが、今回の事故の影響を問われ、吉田氏は「こういうことが起きたので、我々の施設の安全性を担保することがまず必要だ。各自治体とは、避難場所(の提供)も一つだが、物資供給という部分もあるので、我々として災害時にどの部分にウエートをおいてサポートしていくのか、もう一度確認していくべきだと思う」と答えた。また、本社と現地に対策本部を設置し、連携を取りながらイオングループとしてできること全てを熊本につぎ込むと表明した。



