兵庫、岡山、京都など7府県の公安委員会は20日、指定暴力団山口組(神戸市)と池田組(岡山市)との間の「特定抗争指定」を解除することを決めた。両組織の指定は9月にすべて解除される見通しとなった。
抗争事件の減少が解除の背景
指定解除の方針が決まった背景には、山口組の分裂に伴う抗争事件の発生が減少したことがある。昨年には山口組から一方的な「終結宣言」がなされたが、その効力は不透明とされている。警察当局は特定抗争指定の有無にかかわらず、警戒を続けるとしている。
山口組の分裂は平成27年8月に始まった。当時、篠田建市(通称・司忍)6代目組長の出身母体で名古屋を拠点とする直系団体・弘道会による「名古屋支配」に、関西拠点の直系組長らが反発し、神戸山口組を結成。その後、神戸山口組から離脱した池田組と絆会がそれぞれ山口組と対立する構図となった。
発砲事件ゼロ、勢力差は90倍
警察庁によると、分裂後の抗争事件は平成28年に42件発生。うち6件で銃器が使われ、4人が死亡、15人が負傷した。その後は令和4年に21件発生したものの、おおむね減少傾向にあり、令和6年は3件、昨年は1件にとどまった。昨年は死傷者も確認されず、発砲事件もなかった。
勢力差も顕著で、昨年末時点で構成員ら6300人を抱える山口組に対し、神戸山口組は270人、絆会は120人、池田組は70人と開きが出ている。
ある警察幹部は、神戸山口組や絆会との指定解除も見据え、「抗争事件が起きていない以上、指定の延長見送りはやむを得ない」と述べる一方で、指定解除により現在制限されている事務所への立ち入りや集合などの活動が活発化するおそれがあるとして、「むしろより警戒を強める必要がある」と強調した。



