神戸市垂水区の永野こずえさん(75)は、卵巣がんと闘いながら次々と発明に挑戦している。抗がん剤治療で体力維持に睡眠が重要と感じる中、夜間のトイレのまぶしさで眠気が覚めた経験から、暗闇でも発光する便座を考案し、特許を取得した。永野さんは「いつまでも社会に貢献したい」と語る。
発光する便座で特許取得
永野さんは2022年に発症し、抗がん剤治療や手術を経て、術後も治療を続けてきた。つらかったのは夜のトイレに立った時のまぶしさで、眠気が一気に覚め、眠れなくなったことだ。
そこで、ブラックライトで発光する蛍光塗料を使い、暗くても位置がわかる便座を考案し、特許庁に出願。2024年2月に発明が認められた。
試練を乗り越えて出願続く
病は術後1年で再発が判明し、免疫療法や緩和ケアも受けた。2024年には夫の周志さんを見送ったが、試練の連続が逆に永野さんを奮い立たせた。
「こんなものがあれば良いのに」と日々考え、文献調査やAIも活用して、今年5、6月に便座以外の3件を出願。そのうち、採血時に静脈を可視化する簡便な方式で特許を得た。
森林火災に役立つ消火剤タブレット
現在審査中の2件のうち、森林火災に役立つと期待する「消火剤タブレット」にこだわる。海水を一定程度ジェル化させるというアイデアで、海水の塩分による悪影響も考慮している。
森林火災ではヘリコプターで海水を空中散布するが、効果的に火に届いていないと感じていた永野さんは、「世界的な環境破壊につながるので、なんとかできないかと思った。私の住むマンションも森が近いし、人ごとには思えない」と話し、「これだけはなんとか特許にこぎ着けたい」と力を込めた。



