ブラック企業が絶滅しない理由、人類学の視点から解明
ブラック企業が絶滅しない理由を人類学が解明

ブラック企業がなぜなくならないのか。オックスフォード大学社会人類学講座のハーヴィー・ホワイトハウス教授は、その理由を人類学的な視点から説明している。教授によれば、ブラック企業や軍隊、カルトなどの組織は結束が強く、士気が高い。その背景には、過酷な研修や通過儀礼といった苦難の共有があるという。

熱帯雨林の奥深くで体験した通過儀礼

この問題にホワイトハウス教授が初めて魅了されたのは1980年代に遡り、パプアニューギニアの熱帯雨林の奥深くで、通過儀礼を経てバイニング人の部族に迎え入れられたときのことだった。バイニング人の間では、通過儀礼を経なければ一人前の大人とは見なされず、特に踊りのときに使う神聖な衣装の着用を許されない。

教授は通過儀礼を経た男として初めて踊ったとき、おおいに誇らしく思ったという。木の葉で体を覆い、樹皮布のお面をつけていたため、白人の手の甲の肌が白くなければ誰も気づかなかっただろう。この衣装は伝統的に、正体を隠して変性意識に似た状態で殺意を伴う暴力行為を実行するときに身につけることが多かった。

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過去には、そのような衣装を身につける権利を獲得するには、激しい苦痛を味わう手順を踏む必要があった。背骨の底部に尖らせた骨を刺すこともその一手順で、その後その骨は踊っている間に重いお面を支える固定器具のような役目を果たした。また、頭飾りの鮮やかな着色は、尖らせた葉で自分の舌を擦り、吐き出した血を塗りつけることで行われた。

苦難をともにすると「絆」が生まれる

教授は一緒に通過儀礼を終えたばかりの仲間たちと誇らしげに踊り、歌った。しかし今日では、キヴングの指導者たちが他者を殺したり害したりするのを禁じているため、若者は通過儀礼の特に苦痛に満ちた手順を免れることができた。これは、儀式的に体を傷つけたり、襲撃隊への参加を求められたりしないことを意味し、ありがたかったという。

とはいえ、男性の儀式の秘伝を授けてもらう過程では、年長の男性たちが経験した厳しい試練の生々しい描写を聞かされ、その手順がどれほど苦しいものだったかを思い知らされた。そのような試練を一緒に味わった男たちは戦士になり、真の戦士たちは大胆不敵な襲撃の間だけではなく、コミュニティが攻撃を受けたときにも、仲間に庇ってもらえると思って間違いなかった。

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