米連邦控訴裁判所が、日米関税交渉で両政府が合意した総額5500億ドル(約87兆円)の対米投資に含まれるインフラ事業について、事業許可の取り消しを命じていたことが分かった。この事業をめぐっては、5月に日本の政府系機関である国際協力銀行(JBIC)と日本貿易保険(NEXI)が融資などの契約を結んだと発表していた。
テキサス沖の深海港建設プロジェクト
争われていたのは、テキサス州の沖合に超大型タンカーが接岸できる原油輸出のための深海港を建設するプロジェクト。事業者である米国企業のテキサス・ガルフリンク社が許可申請し、米運輸省海事局が2025年2月に承認した。
これに対し、建設予定地近くの市民団体が、海事局の決定は1974年にできた米深海港法(DWP)に違反するとして訴えていた。同法では「一つの申請区域内で承認される深海港は一つだけ」とされるが、今回の申請区域では、すでに別の事業者による深海港の建設が承認されているというのが理由だった。
裁判所が「重大な手続き上の不備」と指摘
今月12日付の判決は、今回の申請区域が別の事業者が建設する深海港の一部であるパイプラインと重なっていたとし、海事局の承認には「重大な手続き上の不備」があると指摘。DWPに違反しているとし、事業の承認を取り消し、差し戻しを命じた。
日本政府によると、今回の事業をめぐっては、JBICとNEXIが5月に融資などの契約を結んだと発表していた。今後の事業見通しに影響が出る可能性がある。



