国の品種登録を受けたイチゴ「桃薫(とうくん)」やシャインマスカットの苗を無許可で譲渡するなどしたとして、警視庁は21日、会社員の男性(45)=福島市=と、自営業の男性(61)=石川県能美市=を種苗法違反(育成者権の侵害など)容疑で書類送検し、発表した。それぞれ容疑を認めているという。
2人の容疑内容
久松署によると、会社員の男性は2025年7月~26年2月、許諾を得ずにネット掲示板に桃薫の苗の画像とともに「苗200円」などと投稿し、福島市内の駐車場で計21株を第三者に譲渡するなどした疑いがある。
自営業の男性は25年5月、許諾を得ずにシャインマスカットの苗として、ネット掲示板に「苗1個1500円。支払いは現金で」などと投稿し、譲渡を申し出た疑いがある。
動機とAI捜査の端緒
2人の仕事は農業とは関係がなく、会社員の男性は「簡単に増殖したので転売すれば小遣い稼ぎになると思った」と話し、自営業の男性は「実が高値で売られているので、苗を転売すれば金が稼げると思った」と話しているという。
捜査の端緒は、対話型AIの「ChatGPT(チャットGPT)」を使ったサイバーパトロールだった。2人が使ったネット掲示板は、主に都道府県ごとなどに分かれたページで、投稿を検索する仕様だった。自営業の男性は「近所のコミュニティーで苗を売買するくらいなら、警察の世話にはならないと思い投稿した」と話しているという。
署はチャットGPTを使い、種苗法違反が疑われる非正規の苗の譲渡に関する投稿を抽出させ、2人の投稿を発見。その後、捜査員が登録品種かどうかや、育成者権者の許諾の有無などを確認したという。署は普段から、サイバーパトロールにAIを活用しているという。