栃木県と県青少年育成県民会議などが県内の高校生を対象に実施した「闇バイト」に関する意識調査の結果が16日、公表された。回答者の約2割が闇バイトとみられる募集を見聞きしたことがあると回答し、中には勧誘を受けた経験がある生徒もいた。高校生にとって闇バイトが身近に潜む実態が明らかになった。
調査の背景と概要
調査は、高校生が実行役とされる栃木県上三川町の強盗殺人事件などを受け、今月1~10日にインターネット形式で実施された。県内の高校2年生約1万6000人を対象に、7987人から回答を得た。
上三川町の民家では5月、3人が死傷した強盗殺人事件で、神奈川県の男子高校生5人が実行役や勧誘役として逮捕された。東京都新宿区の酒買い取り店で4月に起きた強盗未遂事件でも、栃木県の17~20歳の男ら7人が逮捕されており、いずれも闇バイト事件とみられる。
回答者の半数以上が「高収入」イメージ
調査結果によると、回答者の半数以上が闇バイトについて「高収入、高額報酬」というイメージを持っていた。こうしたうたい文句のバイト募集を見聞きした人は全体の21%で、そのうち7割にあたる1442人が「SNS上で見たことがある」と回答。「勧誘を受けたことがある」と答えたのは15%の316人だった。
不審なバイトに関わった可能性がある友人や先輩、後輩から話を聞いたという回答も104件あった。上三川町の事件では、実行役とされる男子高校生1人が知人などを誘って他の実行役を集めていた。
ある県警捜査幹部は「顔見知りに誘われることで、闇バイトへの抵抗感が下がったのでは」と分析する。相模原市の少年(16)は、同級生だったこの男子高校生に対して弱い立場にあったといい、「普段の関係から断りにくいこともあるかもしれないが、犯罪に関わるよりはましだと思って勇気を持って断って」と話す。
相談窓口の認知度低く
調査では、相談窓口の認知度の低さも浮き彫りになった。「闇バイトに関する相談窓口を知っているか」との問いに対し、71%が「知らない」と回答した。
県警は6月以降、幹部が各高校に赴き、闇バイトへの啓発講話を行っている。人身安全少年課の担当者は「講話を継続し、闇バイトに加担する若者をなくしていく。闇バイトの募集をみかけたり、応募してしまった後でも絶対に守る」と、警察相談専用電話「#9110」などでの相談を受け付けている。



