最高裁判所第三小法廷(渡辺恵理子裁判長)は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)信者の後藤徹氏がジャーナリスト鈴木エイト氏を名誉毀損で訴えた訴訟で、後藤氏側の上告を棄却した。2026年7月15日付の決定により、後藤氏が敗訴した二審・東京高裁判決が確定し、鈴木氏の勝訴が確定した。
訴訟の経緯と争点
後藤氏は、脱会を強要されたのは違法だとして親族らを提訴し、親族らに賠償を命じる判決が確定している。鈴木氏はこの判決を踏まえ、後藤氏について「12年間に及ぶ引きこもり生活の末、裁判で2千万円をGETした」とする記事をニュースサイトで配信するなどした。後藤氏はこれらの記事で名誉を傷つけられたとして、鈴木氏を提訴した。
一審と二審の判断
一審・東京地裁は、一部の記事を名誉毀損と認め、鈴木氏に11万円の賠償を命じた。しかし、二審・東京高裁は、後藤氏について継続的に取材していた鈴木氏には「引きこもり」と表現する相当な理由があったなどと述べ、記事などの違法性を認めなかった。その結果、後藤氏の請求を棄却する判決を下した。
最高裁の判断
最高裁第三小法廷は、上告できる理由にあたる憲法違反などがないと判断し、後藤氏側の上告を棄却した。これにより、二審判決が確定し、鈴木氏の勝訴が確定した。
本件は、旧統一教会を巡る一連の訴訟の一つであり、信者に対する批判的報道の表現の自由と名誉毀損の境界が問われた事例として注目された。



