鹿児島県伊佐市のダム湖に沈む曽木第二発電所の遺構が、再び注目を集めている。長らく「廃墟」として湖中にそのままになっていた遺構は、2006年に登録有形文化財に登録され、2007年に近代化産業遺産に認定された。
再注目のきっかけは1999年の写真
遺構の保存が本格的に動き出すのは、建設から9年後の1999年。御書さんが「発電所の現状確認」のために船の上から撮影した写真が、地元県議の目に留まった。その後、テレビや新聞で遺構の姿が報道され話題になり、市は保存活用のためにさまざまな委員会を立ち上げた。
これにより、周辺の山は切り開かれ、道路や対岸の展望所、駐車場が整備され、一般人にも見やすく整備された。レンガ壁の補強工事も行われた。
「電気化学工業発祥の地」という提唱
高城さんが提唱した「電気化学工業発祥の地」という言葉は、技術について知り学ぶだけでなく、近代化が社会にもたらした光と影を問い直す意味も込められていたのかもしれない。
現在、第二発電所遺構内には立ち入りできず、対岸の展望所から眺められるようになっている。だが、毎年5月と8月には伊佐市観光特産協会が遺構内部に入るツアーを主催している。5月に実施できるかどうかは、その時の水位の状況によるという。
ツアーで見学可能、参加費は2000円
2026年ツアーの参加費は2000円で、飲み物付き。事前にサイトから申し込む必要がある。2026年のツアー参加者は、記念に曽木発電所のレンガの欠片をもらった。
発電所は、川の上流側からヘッドタンクで水を横に引っ張り、その水を落とすことで発電機を動かして発電する仕組みのため、遺構は低い所にある。内部にはジーメンス製の発電機が4機置かれていた。レンガの赤と植物の緑のコントラストが美しく、ところどころ小川が流れ、レンガの隙間から植物が芽吹いている。



