給食ない夏休み、困窮世帯で食事やエアコン抑制…支援呼びかけ
給食ない夏休み、困窮世帯で食事やエアコン抑制

猛暑が続く中で各地の学校が夏休みに入り、経済的に困窮する子育て世帯への支援を求める声が高まっている。学校へ行かずに給食もなくなり、物価高騰を受けて食事やエアコン使用を抑えようとする家庭があるためだ。こども家庭庁は、夏休みに涼しい場所で食事を提供する学童保育施設などに食事代を補助する取り組みを始め、自治体にも支援を呼びかけている。

「空腹にさせたくないが」

「物価高で生活は苦しくなるばかり。息子たちを空腹にさせたくはないが、食費の負担は重い」。東京都内で中学3年の長男(14)と小学6年の次男(12)の息子2人を育てるアルバイト女性(51)は、そうため息をついた。

離婚に向けて別居中の夫から振り込まれる生活費だけでは家計が苦しく、経理やマッサージなど三つの仕事をかけ持ちしている。給食のなくなる夏休みは朝昼兼ねることで1日2食にしたり、エアコンの使用を控えたりして支出を切り詰めつつ、支援団体による無料の食料宅配なども頼ってしのぐつもりだ。

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「息子たちは今が食べ盛り。お米が高くなったので食事支援はとてもありがたい」。女性はそう話す。

ひとり親家庭で育った東京都板橋区の高校3年、岩浪琉斗さん(18)は小学生の頃、夏休み中に3食全てがそうめんの日が続いたこともあったという。現在、子どもの支援団体でボランティア活動をしている岩浪さんは「夏休みが家族の悲しい記憶にならないよう、支援が広がってほしい」と願っている。

「栄養不足で退部」「ご飯と納豆だけ」

生活困窮家庭を支援するNPO法人「キッズドア」(東京)は昨年9月、ひとり親世帯などを対象にアンケート調査を実施。回答した子育て中の約1600世帯のうち、昨年の夏休み中に経済的な理由で子どもの食事の量や回数を減らした世帯は58%に上り、そのうち2割は減らした頻度が週5日以上に及んだ。

暑い中でも経済的理由でエアコンの使用を控えたとする世帯は65%を占めた。「子どもの体調や様子に気になるところがあった」との回答は48%に達し、具体的な内容として「熱中症や夏バテ」(52%)、「体重の減少」(22%)などが挙がった。

「子どもが栄養不足で部活動についていけなくなり、退部した」「ご飯と納豆だけの日が続いた」などの切実な声も寄せられた。同法人の渡辺由美子理事長は「夏休み中は家庭の経済状況が子どもの健康に表れやすい。最近の物価高や猛暑で健康リスクは高まっている」と指摘する。

「食事支援・暑さ対策」自治体1割止まり

こうした事態を受け、政府や自治体も対策に乗り出している。

こども家庭庁は今年度から、夏休み中に冷房の利いた場所で子どもに食事を提供する学童保育などの施設に、希望する自治体を通じて補助金を出す事業を始めた。1人1食あたり最大500円程度を国と自治体で助成し、子どもたちが安価で食事を取れるようにした。

経済的に困窮する子育て世帯に無償で食品を届ける団体などにも補助を実施している。さらに、同庁や文部科学省などは5月、夏休み中の子どもの食支援や熱中症対策などを進めるよう全国の自治体に通知し、冷房を備えた公共施設の積極開放やこども食堂の活用の呼びかけなどを求めた。

愛知県みよし市は21日から、冷房のある児童館など計19施設で子ども向けに弁当の提供を始めた。同庁の補助などを活用して弁当を1食350円で提供し、低所得世帯の子どもは無料にする。また、島根県大田市は小中学生を育てる低所得の約130世帯に対し、レトルト食品や缶詰などの食料品セットを無料配送する。

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ただ、同庁が都道府県を含む全1794自治体に尋ねたところ、この夏に同庁の補助を活用するなどして子どもの食事支援や暑さ対策を行うと回答したのは、206自治体にとどまる(今月16日時点)。困窮する子どもたちを支援する公益財団法人「あすのば」(東京)の小河光治代表理事は「この暑さで食事やエアコン使用を控えては、命に関わる。各自治体は今からでも、涼める公共施設の開放や弁当配布などに取り組んでもらいたい」と話す。