鹿児島県伊佐市にある曽木発電所遺構は、夏の渇水期になるとダム湖の底から姿を現すことで知られる。赤レンガ造りの洋風建築で、「カリオストロの城」や「ラピュタ」に例えられることもある。中世の古城のようなたたずまいや、自然が遺構を侵食していく様子がそう思わせるのだろう。
稼働わずか3年の「幻の発電所」
曽木発電所は1909年に竣工。近くにある曽木の滝を利用した水力発電所で、当時としては国内最大の規模であった。しかし1965年、近くに建設された鶴田ダムが完成すると、曽木発電所はダム湖に沈むことになった。建物は湖の底でゆっくりと朽ちていき、草木に覆われ、そのまま忘れられていくだけの運命にあったはずだ。
再発見された「廃墟」
しかし、今や対岸に遊歩道が整備され展望できるようになっている。有名な観光名所だ。8月の曽木発電所遺構は、普段はダム湖に沈んでいるが、5月~9月の渇水期には水位が下がって姿を現す。
遺構内部は立ち入り禁止、だが入る方法も
遺構内部は立ち入り禁止とされているが、入る方法も存在するという。なぜ湖底の廃墟は残ったのか。その全容はいまだ謎のままである。



