危険運転致死傷罪に数値基準導入、改正法が7月21日施行
危険運転致死傷罪に数値基準導入、改正法施行

危険運転致死傷罪の適用要件を明確化するため、速度や飲酒に関する数値基準を導入する改正自動車運転死傷処罰法が21日、施行された。基準値を超えた状態で死傷事故を起こした場合、原則として一律で同罪の適用対象となる。また、基準値を下回っていても、交通状況や道路環境などから危険性が認められれば対象となり得る。

改正法の背景と目的

危険運転致死傷罪は、特に危険で悪質な運転行為を故意犯として処罰するもので、最高刑は拘禁刑20年。一方、過失運転致死傷罪の最高刑は拘禁刑7年と、量刑に大きな差がある。これまでは適用基準が曖昧で、遺族からは「危険運転と認められない」との声が上がっていた。今回の改正は、そうした批判を受け、客観的な数値基準を設けることで適用の明確化と公平性の向上を図るものだ。

速度に関する基準

高速度の基準は、道路の最高速度に応じて設定された。最高速度が時速60キロ以下の道路では「制限速度+50キロ以上」、60キロを超える道路では「+60キロ以上」となる。例えば、最高速度60キロの一般道では110キロ以上、100キロの高速道路では160キロ以上で死傷事故を起こすと対象となる。なお、9月からは「生活道路」の最高速度が時速60キロから30キロに引き下げられるため、これらの道路では時速80キロ以上で適用される可能性がある。

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基準値を時速10キロ程度下回っていても、多くの児童が下校中だったり、路面が凍結していたりするなど、交通や道路の状況次第で対象となり得る。法務省は「数値基準はあくまで一つの目安であり、周囲の状況を総合的に判断する」と説明している。

飲酒に関する基準

飲酒の基準は、呼気1リットルあたりのアルコール濃度「0.5ミリグラム以上」。これは、体重60キロの男性や50キロの女性がビール大瓶2本か日本酒2~3合を飲んだ状態に相当するという。基準値を下回っていても、アルコールの影響で正常な運転が困難な状態と判断されれば対象となり得る。

その他の対象行為

このほか、公道でわざとタイヤを滑らせたり浮かせたりする行為(いわゆるドリフト走行など)により死傷事故を起こした場合も、同罪の対象となる。法務省は改正法に関するQ&Aをホームページに掲載している。

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