教員向けの被差別部落に関する講演で、資料の印刷や持参を参加者に禁じた行為は憲法の保障する学問の自由を侵害するとして、講師を務めた静岡大学の黒川みどり名誉教授(68)が福岡県久留米市に対し、330万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁久留米支部に起こした。提訴は7月31日付。
講演資料の持参禁止に至った経緯
訴状によると、黒川氏は2024年7月に久留米市教育委員会が主催する講座の講師を依頼された。しかし、事前に配布した資料について、市教委側が印刷や持参を禁じたという。原告側は、資料で被差別部落出身の男性が冤罪を訴えた「狭山事件」に触れていたことなどが理由として市教委側から説明を受けたと主張している。
市教委の見解と今後の対応
一方、久留米市教委は、自治体名が資料に明記されていたことから紛失などを懸念したと説明。「内容を否定する意図はなかった。事実関係については訴訟で明らかにする」としている。



