匿名・流動型犯罪グループ(匿流)による事件の被害を防ぐため、警察が犯行グループのスマートフォンなどから情報を遠隔で入手する新たな手法の導入に向けた検討が進められることになった。警察庁が有識者検討会で議論を始める見通しだ。
「ポリスウェア」とは何か
今回検討される手法は、憲法が保障する「通信の秘密」に大きく関わる。情報入手の対象となるスマホ端末をどのように決め、情報をどう取得するのか。適正な運用の確保策や法整備のあり方も論点となる。
警察庁は、匿流による強盗など重大な事件の発生が見込まれる場合に、指示役らグループの上位者に限って対象とすることを想定しているというが、対象の線引きが大きな課題だ。
指示役らのスマホから情報を入手する方法としては、マルウェア(悪意のあるプログラム)を端末に仕込む手法が想定される。これは「ポリスウェア」などと呼ばれ、海外の捜査機関では以前から使われている。
能動的サイバー防御との技術的類似性
日本で当局が相手の端末などに侵入する対応としては、サイバー攻撃を仕掛けてくるグループに対する「能動的サイバー防御(ACD)」の制度が導入された。警察などが相手側のサーバーなどに侵入して無害化する手法だ。
侵入の具体的な方法は明らかにされていないが、関係者によると、今回検討される端末情報の取得は技術的にはACDと同様だという。



