警察庁は6日、匿名・流動型犯罪グループ(匿流)による強盗や特殊詐欺の被害を受けて、匿流が使うスマートフォンなどの端末から通信内容を遠隔で入手する新たな手法の導入に向けた検討に入った。
目的は匿流メンバーの通信内容を把握し、事件を未然に防ぐことだという。新たな手法は、警察が相手の端末をハッキングする形が想定され、憲法が保障する「通信の秘密」との整合性が問われかねない。
有識者検討会で議論
警察庁は刑法学者や弁護士、サイバーセキュリティーの専門家ら有識者による検討会を設置。導入の必要性や、端末情報を入手する対象の事件など制度の具体的な内容、運用の適正さの確保策などを議論する。警察庁は有識者が今後まとめる提言を踏まえ、新たな法整備を進めたい考えだ。
匿流の構造と捜査の課題
匿流による事件は、強盗などに入る対象者の情報を提供する「案件屋」や指示役、実行役などで構成している。実行役の募集や犯行の指示には秘匿性の高い通信アプリが使用され、やりとりには隠語を用いる。そのため実行役を摘発しても、案件屋や指示役を特定するのは捜査上、容易ではない。
さらにこうしたアプリはやりとりが暗号化され、警察が事業者側から情報を得るには限界がある。犯行計画や狙われる対象者を事前に把握することは困難な状況だ。



