警察庁は10日、特殊詐欺や強盗などに関与する匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)の指示役らが使うスマートフォンなどの端末の通信内容を遠隔で入手する新たな捜査手法の導入の是非を議論する有識者検討会の初会合を開いた。検討会の提言を基に、警察庁は必要な法改正を進める考えだ。
秘匿性の高い通信アプリが課題
トクリュウは犯行で秘匿性の高い通信アプリを使うため、末端の実行役を摘発しても、上位の指示役らが狙う次のターゲットを把握するのは困難だ。新たな捜査手法の導入により、警察当局は上位者が持つ犯行情報を事前に把握し、被害の未然防止につなげる。
一方で、離れた場所にいる人物の通信端末の内容を把握することは、憲法が保障する「通信の秘密」などに抵触するおそれがあり、課題も多い。検討会では、対象とする犯罪や捜査の適正性をどう担保するかなどを議論するとみられる。
早期提言とりまとめへ
検討会は提言の早期とりまとめを目指す。10日の会合には、委員を務める弁護士や憲法、刑法に詳しい学者らが出席。警察庁の森元良幸官房長は「トクリュウは匿名性・秘匿性の高い通信アプリを悪用して、組織や犯行手口の潜在化を図っており、これを打破することが重要だ」と強調し、「さまざまな観点から闊達(かったつ)な議論を賜りたい」と述べた。



