生活保護費の「再減額」処分の取り消しを求めて、大阪府内の生活保護利用者ら約180人が2026年7月21日、行政不服審査法に基づく審査請求を大阪府に対して行った。支援団体「引き下げアカン! 大阪の会」のメンバーや弁護士のサポートのもと、約10人の利用者が大阪府庁を訪れ、約180人分の審査請求書を提出した。利用者らは、取り消しが認められなければ訴訟も視野に入れているという。
最高裁判決後の国の対応に批判
この問題での府への集団審査請求は、2026年5月に元原告ら20人が行ったのに続いて2回目となる。2013~15年に行われた生活保護費の大幅減額をめぐっては、2025年6月の最高裁判決が、物価下落を保護費に反映させる「デフレ調整」を違法として引き下げを取り消した。しかし、判決後、厚生労働省はデフレ調整とは別の計算方法を用いるなどして再び減額を実施。利用者のうち原告に限っては特別給付金を上乗せすることを決定した。日本弁護士連合会などからは「司法判断を軽視し、法の下の平等にも反する」と批判の声が上がっている。
追加給付の状況と利用者の実情
現在、厚生労働省の方針に基づき、全国の自治体で2013年の大幅引き下げ前と「再減額」後との差額の追加給付が始まっている。大阪府内では元原告らへの給付はほぼ終了し、現在は一般の利用者への支払いが始まっている。
大阪府庁を訪れた大阪市の利用者の男性(79)は「医師の指示もあり、命にかかわるエアコンだけは使わざるを得ないので、電気代を捻出するため食事量を抑えている。国が追加給付額を半分にした影響が大きい」と訴えた。この男性のように、再減額によって生活が圧迫されている利用者は少なくない。
今後の展望
支援団体は、審査請求が認められなければ訴訟も辞さない構えで、司法の判断を仰ぐ姿勢を示している。厚生労働省の対応は、最高裁判決の趣旨を無視したものとして、今後も批判が続くとみられる。大阪府内の利用者らは、生活保護費の適正な支給を求め、引き続き声を上げていく方針だ。



