大阪地検特捜部でパワハラを受けた末に退職したと訴える元検事の手記をめぐり、大阪高検の畑中良彦次席検事が7日、報道各社の取材に応じ、調査の上で相応の指導を行ったと説明した。
手記は、検事を今年辞職した男性が執筆。大阪地検元検事正からの性被害を訴えている別の女性検事が、男性から手記を託されたとして会見し、3日に公表された。
手記の内容と高検の対応
手記によると、男性は2023年11~12月、大阪地検特捜部で脱税事件の捜査の実務研修を受けた際、指導担当の先輩検事から「お前、ポンコツだな」などと人格を否定する発言を連日受けたと主張。その後、大阪高検の検事から「パワハラはあったと認定した」などと聞かされたと記していた。
畑中次席検事は、手記で挙げられた内容について「速やかに関係者から聞き取りなどの調査を行った上で、その結果に相応する指導を対象者に対して行った」と述べた。一方、パワハラがあったかどうかは「答えを差し控える」とした。
捜査処理への疑念については言及
男性は手記で、先輩検事の見立てに沿う自白調書を作文するよう指示・強要された、事件に関係する音声データの証拠について「ネグれ(無視しろ)」と上司に報告しないように言われた、ともつづっていた。
畑中次席検事は一連の捜査について「証拠を十分に検討した上で処理をした。公判でも事実関係が争われることなく有罪が確定している」と説明した。
大阪高検は、手記が公表された3日の時点では「手記の内容を把握しておらずコメントできない」としていた。7日に改めて取材に応じた理由について、畑中次席検事は「人事院の公表指針に従って公表しなかった事案では、本来は事案の有無を含めて答えを差し控えるべきもの」としながら、「手記の内容に、検察が十分な調査をしなかったのでは、不適切な捜査処理がされたのではとの疑念を持たれかねない表現があり、その限りで言及した」と説明した。



