新聞大会、ロシア記者拘束に「強い懸念と憤り」…健全なジャーナリズム維持へ決議
新聞大会、ロシア記者拘束に「強い懸念と憤り」…決議

第79回新聞大会(日本新聞協会主催)が16日、松江市で開かれた。日本新聞協会の中村史郎会長(朝日新聞社会長)は、ロシアの情報機関に北海道新聞の日本人記者がスパイ容疑で拘束されたことについて「強い懸念と憤りを表明する」と言及した。情報環境が混沌とする中、健全なジャーナリズムの担い手であり続けるとする決議を採択した。

記者の早期解放と支援を強調

中村会長は、ロシア当局に記者の早期解放を求めるとし、「北海道新聞社と緊密に連携し、できる限りの支援をする」と強調した。一方、ニュース記事を無料利用するAI(人工知能)検索サービスが広がる現状を踏まえ、「報道コンテンツの適切な保護と健全な情報流通の確保に向け、必要な対応を進める」と述べた。

新聞週間のメイン行事に約360人参加

新聞大会は新聞週間(15~21日)のメイン行事で、新聞社や通信社の代表者ら約360人が参加した。「新たな情報教育に向けて~新聞が果たす役割とは」をテーマとした研究座談会も行われた。

新聞協会賞・技術賞の授賞式

新聞大会では、2026年度の新聞協会賞、新聞技術賞の授賞式も行われた。読売新聞東京本社は「次世代型標準輪転機の開発」で宮崎日日新聞社と技術賞を共同受賞し、本社の黒飛陽・生産企画部長があいさつした。

受賞は両新聞社と東京機械製作所の3社のプロジェクトメンバー全員の成果だと思う。各社、若手からベテランの技術者まで幅広い年齢構成で取り組んだ。新型輪転機には、ひと昔前では実現できなかった技術が数多く取り込まれており、新聞の印刷技術は着実に進化し続けている。ただ、積み残された課題もある。引き続き新聞印刷発展のため技術を追求していく。

第79回新聞大会決議(全文)

日本新聞協会は今年、設立から80年を迎えた。戦後間もない1946年、全国の新聞社は倫理綱領の下に集い、民主国家としての日本の発展に尽くすことを誓った。その思いは変わらない。

一方でウクライナ、ガザに加え今年に入ってからイランでも武力の応酬がやまず、紛争の平和的な解決を志向してきた戦後の国際秩序は危機に瀕している。また、コミュニケーションのデジタル化と生成AIの急速な進展によって社会はかつてない変化に直面している。混沌とした情報環境は、時に社会の分断や感情的な対立を引き起こしている。

新聞には、信頼される確かな情報を届けて異なる考え方や利害を持つ人々の相互理解を促し、民主主義の維持と発展に寄与する役割が求められている。新聞協会は果たすべき役割を不断に問い直し、会員各社が健全なジャーナリズムの担い手であり続けることを誓う。