奈良市立小学校で同級生からいじめを受けた女子児童が自殺をほのめかす言葉を記したノートに担任教諭が「花丸」を付けた問題を巡り、女児とその両親が奈良市に対し慰謝料など計約250万円の損害賠償を求めた訴訟で、奈良地裁(和田健裁判長)は16日、教諭らの対応に職務上の法的義務違反はないとして原告側の請求を棄却した。
いじめ被害と学校対応の経緯
裁判では、2021年から2022年にかけて同級生の男児から女児が受けた加害行為や、担任教諭が自殺をほのめかす言葉が書かれたノートに花丸や「You can do it!!(あなたはできる)」と記載したことへの学校側の対応が、いじめ防止などの義務に違反するかどうかが争点となった。
判決では、女児が男児から蹴られたとされる2回目の被害の訴えについて、「今後もいじめが発生することへの予見可能性は認められる」としながらも、学校側が聞き取り調査などを行ったことから「いじめ発生の回避義務は尽くしていたと評価できる」と判断した。
花丸の経緯と判決の判断
花丸を付けた経緯については、女児からの依頼であり、励ましの気持ちによるものだったという教諭の証言を事実として認定。「女児に深刻な希死念慮があったとは解されない」とし、「女児の援助希求行動を積極的に踏みにじった違法行為とは認められない」と結論付けた。
原告側と市長の反応
判決後、原告の代理人弁護士は記者会見を開き、「学校側が法廷で突然述べたことがそのまま事実と認定され、疑問が残る。判決に納得できない」と話した。女児の両親は代理人を通じ、「言い分が認められず、つらく、悔しい。今後の対応を弁護団と相談したい」などとコメントした。
仲川げん奈良市長は「市側の主張が認められたが、指摘された課題に十分に配慮していく」と述べた。



