かつて地図から消され、立入禁止だった軍事機密島がある。明治期に築かれた軍事施設の島・友ヶ島は、現在は緑に侵食された廃墟となり、「ラピュタの島」として知られている。
「バルス!」と叫びたくなる要塞の廃墟
海を臨む要塞の姿は、まさにアニメ映画に登場する空中都市ラピュタのようだ。作品ファンなら「バルス!」と自然に発してしまうというものだ。巨大な岩がいくつも置かれている様子も、作品の世界観を彷彿とさせる。
この島は、一度も実戦で使われなかったという。兵器や戦術の進化によって要塞としての役割を終えただけにすぎない。
130年の時を経て自然が包み込む
時計を見ると15時前。悪天候で1時間繰り上げられた最終便の時間が迫る。汗びっしょりの体とパンパンの脚を労わりながら余韻に浸り、フェリーを待つ。
130年の時を経て、自然が人間が築いたものを包み込んでいくように思えた。ここを訪れる人たちは、人間の業さえも受け止めてしまう自然の力に、畏怖の念と、どこか救われるような安心感を覚えるのかもしれない。
リゾート廃墟島としての顔も
友ヶ島の廃墟はこれだけではなかった。道中、昭和の面影を残す旅館や、かつてこの島をリゾート地にしようとした「南海電鉄」の文字が刻まれた案内板も目にした。
国と国とが対立するのではなく、互いに手を携え合う世界であってほしいと、強く願わずにいられない。
後編では、要塞としての役目を終えた友ヶ島のもうひとつの歴史を、探索写真とともに紐解いていく。



