宮古市の落合久三市議(78)=共産、当選7回=が今年5月、同市内の民家のフェンスに乗用車を接触させる事故を起こし、その場で警察に通報せずに立ち去っていたことがわかった。道路交通法は、事故を起こした運転者に警察への報告を義務付けており、県警も事故を把握。落合市議は事故後、被害者に謝罪し被害弁償したが、読売新聞の取材に対し、「(立ち去ったのは)大きな判断ミスだった」と述べた。
事故の経緯とその後の対応
落合市議の説明などによると、事故は5月15日午前5時過ぎに発生。政党機関紙を配達中、民家のフェンスに車の後部バンパーを接触させた。いったん車を降りて傾いたフェンスを手で押し戻したが、早朝だったため住人への連絡や警察への通報もしないまま次の配達先に向かったという。
当日は4月の市議選後初の開会議会で、正副議長を選出する日だった。落合市議は事故の約4時間後の午前9時過ぎに議場入りし、同10時開会の市議会で議会運営委員長に選任された。
同日昼に警察から連絡があったと妻に聞き、午後2時過ぎに宮古署を訪れて事情聴取を受けたという。市議会事務局長には同日夜に経緯を報告。同日夕と翌16日には被害者宅を訪れ、住人に謝罪した。数十万円の修理費用を支払い、工事は既に完了した。
辞任届の提出と市議会の判断
落合市議は自らの行為を「器物損壊」や「当て逃げ」にあたり、市議会議員政治倫理条例が定める「品位と名誉を損なう一切の行為を慎む」との基準に抵触するとして、6月15日付で議運委員長の辞任届を市議会に提出。「行政処分や刑事処分も受けていないが、けじめを付けるためだった」と説明した。
ただ、同24日の議運委員会での協議で辞任は認められず、橋本久夫議長は「市民に隠蔽していると思われても仕方ないが、議運の総意である続投を尊重した」と釈明した。
同市議会では2024年、市議2人が暴力行為などで同条例に抵触するとして政治倫理審査会にかけられ、うち1人が辞職している。



