京都アニメ放火事件7年 犯罪被害者支援の充実求める声
京都アニメ放火事件7年 被害者支援充実求める声

7月18日で発生から7年を迎えた京都アニメーション放火殺人事件。この事件を契機に、全国で犯罪被害者支援の条例整備が進むなど、制度面の充実が図られてきた。しかし、支援のさらなる向上に向け、専門家は「犯罪被害の理解を深めることが重要だ」と指摘している。

条例整備は進むが、新たな課題も

事件では36人が死亡し、32人が重軽傷を負った。この悲劇をきっかけに、自治体によって支援に格差がある問題が浮き彫りとなり、各地で条例が制定された。警察庁によると、犯罪被害者支援に特化した条例は全47都道府県で整備され、市区町村でも6割超(昨年4月時点)に達している。見舞金の支給や家事代行費用の助成などが導入された。

一方で、心身に深い傷を負った被害者が、自ら支援策を調べて手続きすることは大きな負担となる。政府は3月に策定した第5次犯罪被害者等基本計画で、支援対応を一元化する「ワンストップサービス」の確立を目標に掲げ、支援コーディネーターの養成などを進める方針だ。

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新たな支援制度の始動

1月には「犯罪被害者等支援弁護士制度」の運用が開始された。国が費用を負担し、法テラスと契約した弁護士が、刑事裁判への対応や民事訴訟の代理、給付金申請などの手続きを一括して担う。弁護士による包括的な援助の早期実現を目指している。

こうした動きについて、被害者支援に詳しい奥村昌裕弁護士(大阪弁護士会)は「条件の緩和や民間企業の対応など、依然として改善の余地はある」と指摘する。同制度の対象は殺人や一定の性犯罪などに限られ、資力要件もある。また、基本計画によると、犯罪被害者を対象とした休暇制度を設ける企業は2024年度時点で0.9%にとどまる。

奥村弁護士は「誰もが同じ立場になる可能性があるとの意識が、活用しやすい制度の導入につながる。社会全体で当事者の声に耳を傾け、能動的に学び、啓発を進める必要がある」と話している。

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