最大震度7を観測した熊本地震から1か月が経過した。被災者は厳しい暑さの中で今も自宅の片付けなどに追われており、生活の再建に向けた手厚い支援が欠かせない。
復旧進む一方、避難者は2000人超
被災地では、電気とガスはすでに復旧し、断水も月末までに解消する見込みで、少しずつ落ち着きを取り戻しつつある。しかし、避難所に身を寄せる人はなお2000人を超える。現地は連日のように最高気温が35度以上の猛暑日となっており、暑さは今後も続く見通しだ。
すでに災害関連死の疑いのある犠牲者も出ている。車中泊を続けている人の実態把握に加え、暑さ対策にも万全を期し、関連死を食い止める必要がある。
生活再建へ住宅支援と公営住宅整備
これからは本格的な生活再建の段階に入る。熊本県は住宅が全半壊した世帯に支援金を支給する方針で、国も被災者の生活拠点を整備するため、自治体に災害公営住宅の建設費を補助する方針だ。被災者が早く元の暮らしを取り戻せるよう、住宅の確保だけでなく、職場や校舎の復旧なども含めたきめ細かい支援が急務となっている。
悪質商法や偽情報への対応が課題
一方で、地震で傷ついた被災者に追い打ちをかけるような行為も確認されている。被災者宅を訪問し、高額な住宅修繕を持ちかける不審な業者や、避難で住民が不在になった留守宅を狙った窃盗が相次いでいる。警察には摘発や巡回に一層力を入れてほしい。
また、SNS上では、遺族を装って同情をひき、閲覧数を稼ごうとする虚偽の投稿や、被災者が倒壊家屋の前でピースサインをしている偽画像が拡散された。いずれも被災者の心情を踏みにじる卑劣な行為だ。災害の直後にはデマや偽情報が拡散されやすいため、SNS事業者にはこうした投稿を厳しく監視し、悪質なケースについては削除するなどの責任ある対応が求められる。
施設・工場の安全管理に課題
商業施設や工場の安全管理にも課題が浮上した。イオンモール熊本では地震直後、LPガスの漏出が原因とみられる爆発が起き、専門店の従業員7人が犠牲になった。ガスの緊急遮断弁や警報器が機能したのか、解明が必要だ。
日本製紙八代工場では煙突が倒れ、従業員ら9人が亡くなった。大規模点検は20年前が最後だったとされ、揺れの想定や煙突の耐震補強に問題はなかったか検証が求められる。国内には同様の施設や工場が他にも数多く存在するため、同じ事態を繰り返さないよう、改めて点検を徹底することが重要だ。



