近畿矯正管区、拘禁刑導入で「開かれた施設」模索 外部意見を運営に
近畿矯正管区、拘禁刑導入で「開かれた施設」模索 外部意見を運営に

大阪刑務所(堺市)などを管轄する近畿矯正管区が、自治体や企業関係者ら外部の意見を施設運営に生かす取り組みに力を入れている。昨年6月に受刑者の立ち直り支援を重視する「拘禁刑」が導入され、再犯防止やスムーズな社会復帰には地域の協力が欠かせないためだ。「開かれた施設運営」で連携を深めることを目指している。

意見交換会で再犯防止を議論

大阪拘置所(大阪市都島区)で今年7月中旬に開かれた意見交換会では、出所者を雇用している施設の職員が「指示に従うことに慣れ、想定外の出来事に対応できない人も多い。自分で考える力をつけてほしい」と強調した。

意見交換会は2023年度から年1回実施している。今年は刑務所や少年院などの職員や自治体職員、企業関係者ら計約80人が参加し、今年から初めて学生も加わった。参加者は、大阪拘置所にいる受刑者が刑務作業を行う工場や収容フロアを見学した後、8人前後のグループに分かれて約1時間半、再犯防止や地域との関係について意見を出し合った。

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社会復帰後に求められる能力に関する話題では、刑務官の一人が拘禁刑導入後の変化を説明。「自分たちで考える作業や、職員との対話など社会の環境に近づいている。社会で直面するストレスや葛藤に耐えられるようにしたい」と語った。

アイデア実現と施設見学の広がり

この日に出たアイデアで実現に向けて動き出したものもある。17年まで奈良少年刑務所だった旧奈良監獄を活用した施設「奈良監獄ミュージアム」(奈良市)が、観光客に人気を集めていることから、矯正に関する取り組みをアピールするイベントの開催を検討している。近畿矯正管区は自治体と協議を進めている。

近畿矯正管区によると、これまでは地域の理解を得るために、受刑者らが手がけた作業品を販売する「矯正展」などを行ってきたが、一般の人らから幅広く意見を聞く場は少なかった。拘禁刑が始まり、懲役刑の「懲らしめ」から「更生」に軸足が移り、個人の特性に合わせた作業や指導が実施されるようになった。

同管区の山田志保更生支援企画課長は「施設運営に外部の意見を取り入れることに加え、もっと刑務所のことを知ってもらうことが重要となっている。出所者の社会復帰に向けた地域や社会の協力が得やすくなる」と話す。

対話型施設参観の実施

和歌山刑務所(和歌山市)では25年から、一般の人に受刑者の居室や刑務作業の工場を見学してもらい、刑務官らとの矯正処遇の現状や課題などを話し合う「対話型施設参観」を実施。地元の自治会や学生などの団体を受け入れたという。

対話型施設参観は各地で行われている。法務省によると、施設からは「新しい視点に気づけた」、見学者からは「再犯防止に向けて自分たちにもできることを考えたい」といった感想があったという。担当者は「刑務官らの仕事の振り返りや、外部との相互理解の場になっている」と話した。

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