警察庁は22日、神奈川県警の複数の警察署が、運転免許更新に伴い利用者から回収した期限切れ運転免許証を不正に持ち出し、免許証の顔写真を警備部門の調査対象者のデータベースに利用していたと明らかにした。個人情報保護法に違反する可能性が高いとみて調査チームを設置し、同県警全54署のほか、全国の警察でも同様の事案がないか調査を進めている。
発端は免許証の入ったリュックの置き忘れ
警察庁によると、今年8月、同県警保土ケ谷署警備課の男性巡査長が同僚と店で飲酒後、駅に期限切れ免許証の入ったリュックサックを置き忘れる事案が発生。同県警で関係者を聴取したところ、男性巡査長の前任の同県警港北署で、交通課員が回収した全ての期限切れ免許証を同署の警備課員に渡していたことが判明した。
同県警は警察庁に事案を報告。警察庁と同県警が共同で調査を進めたところ、男性巡査長や別の県警警察官への聴取で、回収した期限切れ免許証の顔写真部分が警備部門で調査対象としている人物のデータベースに追加されていたことが分かった。
平成初期から複数署で実施か
同県警の複数のベテラン捜査員は「平成1桁当時には行われていた」との趣旨の説明をしており、少なくとも同県警内の5署で同様の行為があったとみられる。聞き取り調査の結果、平成初期には県警管内の複数の警察署で行われていたとみられることも判明した。
警察庁は一連の免許証情報の利用が、個人情報保護法にのっとった利用から外れている可能性が高いと判断。利用の規模や時期を調べた上で国の個人情報保護委員会に報告する方針だ。期限切れ免許証から得たと確定できた情報や、期限切れ免許証からなのか適正に得た情報なのか明確に判定できなかったものは、県警や警察庁のデータベースなどから削除する。