岡山市郊外の市民農園で野菜を育てている大村知輝記者は、岡山大会から続けてきた高校野球取材のため、甲子園に長期出張に行ってしまった。不在の約3週間、畑を託されたのは入社15年目の記者(36)。農園に足を運ぶと、人間同様、野菜は夏バテしているように見えた。
初めての一人での農園作業
記者は農学部出身で、大学の先輩に誘われて大阪市南部の市民農園を手伝ったこともある。とはいえ学んでいたのは農業経済で、手伝いからは数か月で撤退した。農作業に関してはほぼ素人だ。
今月上旬、初めて一人で農園に行くと、「もう少し早めに来るべきだった」と後悔した。大村記者が最後に世話をしてから8日が空いていた。真っ赤に熟したカラーピーマンは地面に落ち、虫に食われたような跡がある。茎についたまま干からびた実もあり、収穫できるものがない。
支局長の大好物であるトウモロコシは、皮がめくれてむき出しになっていた。一方、ミニトマトは茎が黒く焦げたように朽ちていたが、赤くなった実を恐る恐る口に運ぶととても甘い。トマトは厳しい環境に置く方が甘くなると聞いたことはあったが、こんな状態でも大丈夫だとは……。茎が枯れたように見えたミニトマトは、甘い実をつけていた(岡山市北区で)
近隣の農園で働く中西さんの工夫
時刻は午後2時頃。大村記者への報告用に写真を撮り、水やりをしていると、暑さでくらくらしてくる。ぼんやり遠くを見ると、帽子をかぶって首にタオルを巻き、黙々と作業する男性の姿が見えた。
岡山市中区の会社員、中西勝美さん(58)。「おいしいビールを飲むため」と市民農園を始めて5年ほどといい、枝豆やトウモロコシなど、ビールと相性の良い作物を中心に育てている。畝に「マルチ」と呼ばれる黒いシートを張ったトウモロコシ畑は、大村記者の畑と違い雑草は見当たらず、茎はまっすぐ伸びている。週末は2日とも農作業に充てることが多いそうだ。首にタオルを巻き、水やりをする中西さん。週に2回は世話に来ているといい、生育は順調だ(岡山市北区で)
暑すぎるためか、「ここ数年、夏場は野菜が成長しにくい」と言い、ホースを根元に向けて念入りに水をやっていた。「自分で育てたトウモロコシは甘さが全然違い、家族も喜んでくれる。何より、農作業後に飲むビールはおいしい」
暑さ対策と今後の見通し
自身の暑さ対策を尋ねると「水分をしっかり取り、少しでもしんどくなったら日陰に行く」。当たり前のことをやるしかないようだ。「昨年や一昨年に比べれば暑さはまし」と言う通り、山あいの農園に時折風が吹くと涼しさを感じる。だがそれも一瞬のことで、20分も作業すると汗だくだ。
大村記者の畑には、これから収穫期を迎えるサツマイモなどが植わっている。かわいい後輩をがっかりさせないよう、こまめに来て水やりしなければと思う。(佐々木伶)



