愛知・名古屋アジア大会(読売新聞社協賛)で、選手への誹謗中傷がSNSで相次いでいる。日本オリンピック委員会(JOC)は人工知能(AI)を活用して投稿を監視し、悪質なものについては事業者に削除要請をするなどの対策を講じている。
バレー女子敗戦後、否定的な投稿が殺到
「気持ちがいまいち伝わってこない」「化粧直しなんてしてるから」。バレーボールでは女子日本が決勝で中国にストレート負けし、48年ぶりの優勝を逃した後、X(旧ツイッター)に否定的な投稿が相次いだ。
ある選手は日本代表としての活動期間中の応援に感謝しつつ、「選手を否定するような言葉や必要以上に傷つけるようなメッセージも沢山届きました」とSNSで明かした。
バスケットボールやeスポーツでも、「派手さもレベルも低い」「体を鍛えて動かして競ってこそスポーツ」などの投稿があった。
AI監視と法的判断で削除要請
JOCはAIツールでSNSの書き込みを自動検知して脅威の度合いを分類するなどし、スタッフが確認した後、弁護士が法的に判断して必要に応じて事業者に削除を求めている。25日までに大会に関する約11万件の投稿を確認し、うち中傷を含むとみられる274件の削除を要請した。
バスケ女子日本の選手は「できる限り見えないよう対策を取ってもらえるのはありがたい」と話す。JOCの担当者は「特定の選手に向けたものか判断しにくい投稿も多い。迅速な対応を続けていきたい」としている。
過去の五輪でも同様の対策
2月のミラノ・コルティナ五輪でも同様の対策が取られ、約35万件の投稿のうち1913件の削除を要請し、3割が削除された。
JOCによると、中傷を含む投稿は名誉毀損罪や侮辱罪になる可能性がある。一方で、感想や意見の表明はスポーツ文化の一部であり、一定程度尊重されるべきだとしている。JOCで誹謗中傷対策のチームリーダーを務める谷本歩実理事は「大会に至る選手の頑張りなどを伝え、中傷を応援の言葉に変えてもらえるようにしていきたい」と話している。