日本軍の極秘潜水艦情報、米軍に筒抜け…焼却されず流出した史料を発見
日本軍の極秘潜水艦情報、米軍に筒抜け…流出史料を発見

太平洋戦争末期、2万人以上の日本兵が死亡した硫黄島(東京都)の戦いは多くの人が知っているでしょう。しかし、米軍が上陸した1945年2月以降、現地で作成された文書は、日本軍に関する約10万冊の史料を所蔵している防衛研究所を含め、日本にほとんど残っていません。硫黄島と並ぶ激戦地として知られたソロモン諸島のガダルカナル島なども同じ状況です。

現地の文書は、玉砕や撤退の前に日本軍の指示で焼却されたと言われています。ところが、米軍の司令官らの回想録を読むと、戦地で日本軍が埋めていた文書を発見したという記述が出てきます。焼却されなかった文書が米軍に回収されて米国に「流出」し、今も残っているのではないかと考えました。

米国での初調査

昨年11月、防衛研究所として初めて、そうした激戦地の史料の調査を米国で行いました。同様に戦史を研究する別の主任研究官と一緒に赴いた先は、米国立公文書館と、戦争関連史料の所蔵で知られる米スタンフォード大フーバー研究所。初めての調査だったので成果を出せるか不安でしたが、最終的に約2400点の日本軍に関する史料を確認、撮影できました。

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見つかったのは、防衛研究所や国立国会図書館など日本国内の機関では見たことがない史料ばかりでした。私の把握する限り、先行研究にも登場しません。日本だけでなく米国でも存在を知られていなかったものだと考えています。

歴史の空白を埋める

歴史学は、史料あってこその学問です。新たな史料が見つかることで、歴史の空白が埋まるだけでなく、既に明らかになっているその前後の出来事の意味合いが変わることもあります。

日本の戦史研究の大半は、国内に残る史料に基づいて行われてきました。海外に残る史料を分析すれば、研究がさらに進むはずです。80年を過ぎても、あの戦争はまだまだ解明の余地が残っていると思っています。

潜水艦の極秘情報

米国立公文書館で見つけた史料の中に、ガダルカナル島沖で1943年に攻撃され沈没した日本軍の「伊号第1潜水艦」の艦内から回収されたものがありました。潜航時刻や作業内容などが記された作業日誌、兵士の配置表、「軍極秘」と印が押された魚雷の調整記録などです。

伊号第1潜水艦の沈没後、何らかの文書が米軍に回収されたことは知られていましたが、隠密行動が鉄則とされる潜水艦の運用に関する情報が米軍に筒抜けとなっていたことに驚きました。

米軍は、日本側の文書を組織的に収集し、専門機関に翻訳させて作戦に生かしていました。日本は情報戦でも後れを取り、負けるべくして負けたのです。

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