似顔絵捜査、今年度は60人体制 技術向上へ講習会、描き手の重要性強調
似顔絵捜査、今年度は60人体制 技術向上へ講習会、描き手の重要性強調

石川県警は9月4日、似顔絵捜査の描き手の技術向上を目的とした講習会を金沢市で開き、12署から47人が参加した。今年度は、警察署長が指定する「似顔絵捜査員」53人と、刑事部長が指定する「似顔絵捜査官」7人の計60人を指定している。

講習会で「輪郭と髪形だけで犯人に結びつくことも」

講師を務めた似顔絵捜査官の大久保敏子警部補(小松署警務課)は、「輪郭と髪形だけで犯人に結びつくこともある」と説明。特徴を捉えて顔のパーツを端的に描くよう助言し、「写実的に描くと人物特定のストライクゾーンを狭め、目撃した県民の『もしかしたら』をつぶす可能性がある」と強調した。

県警によると、1980年には似顔絵捜査が行われていた記録が残る。各署には2人以上の捜査員を配置することが定められている。

目撃者の記憶を生かすため、早さと対話力が鍵

事件解決の糸口になる似顔絵を作成するには、目撃者の記憶力や鮮明な記憶を生かすため、なるべく早く作成することが鍵となる。県警鑑識課の浅野晃次席は「描く技術に加え、証言を引き出す警察官の対話力に影響を受けることもある」と指摘する。大久保警部補も「信頼してもらえる関係を築き、どれだけ特徴を引き出せるかが重要になる」と話す。

15年にわたって似顔絵捜査に携わった県警の捜査官は「人だからこそ、目撃者の意図をくみ取り、表現することができる」と語る。

防犯カメラやAIの活用が進む中でも

近年は、駅や店など公共の場だけでなく、住宅の防犯カメラやドライブレコーダーなど動画による記録が一般的になった。浅野次席は、動画の利点として容疑者の「動き」を捉えられる点を挙げる。歩行時の癖や身体的特徴、犯行前後の足取りからは人物の特定が進めやすいが、カメラは定点で設置されているものが多く、死角が生じるという。

愛知県警は昨年12月、画像生成AIを事件や事故の捜査に活用する研究のため、NTTデータ(東京)や人間環境大(岡崎市)と共同研究の契約を締結した。生成AIを用いて作成した似顔絵の有効性や課題を検証する。石川県警はAIの導入は未定で、警察庁の方針を注視するとしている。