熊本地震、16年とほぼ同じ断層が再活動 広島大が現地調査で確認
熊本地震、16年とほぼ同じ断層が再活動 広島大調査

広島大学の研究者らが現地調査の結果を報告し、7月28日に発生したマグニチュード(M)7・1の熊本地震(最大震度7)で、2016年の熊本地震で動いたのとほぼ同じ断層が再び活動した痕跡を確認したと発表した。活断層の活動間隔は数千年単位とされる中で、「国内ではこれまでになかった現象。間を置かずに大きな地震が再発する可能性がある」と警告した。

調査内容と確認された痕跡

報告会は17日、広島大学東広島キャンパス(東広島市)で行われた。今回の地震では、熊本県の益城町から氷川町を経て八代海南部に至る日奈久断層帯が動いたとみられる。熊原康博教授(自然地理学)らのグループは7月29日から8月2日にかけて、震源域周辺の148地点を調査。断層のずれが、長さ約38キロにわたって地表に断続的に露出し、八代市で最大1・27メートルの横ずれを確認した。

このうち、益城町と甲佐町の間の約7キロは、10年前の熊本地震で動いた断層と重なっていた。2016年の前回は、4月14日に前震(M6・5)、2日後の16日に本震(M7・3)が続発し、日奈久断層帯と布田川断層帯が連動した可能性が指摘されている。この約7キロの区間は、両断層帯の「接合部」に当たるとみられる。

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過去の調査と今回の意味

熊原教授らは2020年3月から2023年9月にもこの区間の断層を調査。前回の本震後も地表の変形は少しずつ続き、6~7年間で10~40センチずれている箇所があることがわかった。ただし、2025年2月の調査では新たな変動は確認されず、断層の活動はほぼ終息したと考えていたという。

熊原教授は「比較的短期間に断層の重複破壊が起きて大きな地震を発生させる例は世界的に珍しく、米国やトルコで確認されていたものの、国内ではなかった。活断層に対する考え方を今後変えないといけなくなる」と強調した。

今後の防災への活用

国土地理院公表の活断層分布図の作成に携わる後藤秀昭教授(地理学)は、7月31日に読売新聞の取材ヘリに同乗し、地表に現れた断層などを上空から観察した。断層に沿って帯状に建物被害が集中していた一方で、断層の多くは、地形から事前に活断層の存在が推定されていた場所に現れていたことが確認できたという。

後藤教授は「地震がいつ来るかはわからないが、断層調査により、どこがずれるか、ずれたらどこで被害が大きくなるかはある程度予測できる。今回確認された断層の位置や状況などを地図に落とし込み、今後の防災に生かすことは重要な課題だ」と語った。

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