「のどが渇いていないから大丈夫」——その判断が、実は中高年男性にとって大きなリスクになっている。本人が自覚しないまま水分不足が進む「隠れ脱水」とは何か、なぜ中高年男性が陥りやすいのか。総合内科医の中路先生に詳しく話を聞いた。
のどが渇かなくても、脱水は始まっている
「隠れ脱水」とは、体重の1~2%の水分が失われているにもかかわらず、本人がそれに気づいていない状態のこと。中路先生によると、年齢を重ねるにつれて脳がのどの渇きを感じにくくなるため、体が水分を必要としていても自覚しにくくなるという。「のどが渇いた」と感じた時点ですでに脱水は始まっている、と考えるべきだろう。実際、アメリカの医療機関で行われた調査では、救急外来を受診した高齢者の約半数に、本人が気づきにくい慢性脱水(いわゆる隠れ脱水)が認められた。
筋肉が減ると「水の貯水池」が小さくなる
人間の体において、筋肉は水分を最も多く蓄える組織。しかし、加齢に伴って筋肉量が減少すると、体内にキープできる水分量そのものも少なくなってしまう。さらに、腎臓の機能低下や日常的な服薬の影響も重なるため、体力に自信がある人でも脱水に陥りやすい体になっている。中路先生は「『元気だから大丈夫』という過信は禁物。のどが渇く前から意識的に水分を補給する習慣が、中高年男性には特に重要です」と強調する。



