福岡県議会・蔵内議長が議員辞職願を提出、金銭疑惑で引責
福岡県議会・蔵内議長が議員辞職願を提出

金銭授受疑惑などに揺れる福岡県議会の蔵内勇夫議長(72)が24日、県議の辞職願を板橋聡副議長に提出した。蔵内氏は県政の混乱を受けて議長職を辞する考えを示す一方で、議員は続ける意向を強調していたが、議員辞職に追い込まれる形となった。

辞職願の提出と時期

議会事務局によると、蔵内氏は東京に出張中で、辞職願は事務局を通じて副議長に提出された。蔵内氏が24日に発表したコメントでは、25日の全国都道府県議会議長会会長の職務終了後を辞職時期としており、板橋氏は「規則などに基づき処理する」とした。

疑惑の発端と第三者委員会

疑惑を巡っては、7月以降、複数の正副議長経験者が自民党県議団幹部へ現金を渡したと証言する一方、蔵内氏ら幹部は受け取りを否定。県議会として日本弁護士連合会指針に基づく第三者委員会に調査を依頼する事態となった。

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蔵内氏の進退に関しては、17日の臨時会で議長職の辞職勧告決議案の採決が自民県議の緊急動議で中止となり、批判が集まっていた。

「県議会のドン」の失墜

蔵内氏は筑後市選出で、当選10回。議長や自民県議団会長、自民福岡県連会長を歴任した。

22日、蔵内氏は自民党県議団の秋田章二幹事長(76)を電話で呼び出し、「俺は、議員を辞めようと思う」と切り出した。秋田氏は慰留したが、蔵内氏は無言を通したという。24日午前8時過ぎ、自民県議団の連絡網で議員辞職を表明すると報告があり、同9時過ぎ、コメントが報道各社に発表された。

19日の段階では、蔵内氏は議長を辞めると明言する一方、議員辞職は否定していた。ある自民議員は「9月定例会で(蔵内氏の)議員の辞職勧告決議案が出たら、もたないという話もあった。本人にも伝わっていたと思う」と話した。

服部誠太郎知事は24日、報道陣の取材に「重く、大きな決断をされたと思う。ただ、これで幕引きではない」と話した。

経歴と疑惑の渦中

蔵内氏は県立八女高から日大農獣医学部の獣医学科に進学。卒業の約1年後の1980年、地元の衆院議員の秘書となり、83年に無所属で県議選(筑後市)に出馬。その時は落選した。当時は20歳代後半で、蔵内氏と会ったという男性は「目がギラギラしていて野心家に見えた」と話す。87年には現職を破って初当選し、自民県議団入りした。

県議団内は主流派と非主流派の対立が激しくなり、蔵内氏は2003年、主流派の県議団会長に就任し、「融和」を図った。懇親会やゴルフ会では蔵内氏自身も積極的に金を出したという。「議会の懇親、融和のためにはお金はかかる」。周囲にそう説くこともあった。

蔵内氏は県政界で麻生副総裁(85)、武田良太・元総務相(58)らとしのぎを削る存在になった。25年に全国都道府県議会議長会会長となり、高市首相とも会談。今年4月には、世界獣医師会の大会で、「悲願」の同会会長となった。

そんな中、高額な海外視察や県職員の議員への長年の忖度、金銭授受疑惑などの問題が噴出。副議長就任前に蔵内氏に500万円を手渡したとの証言も飛び出した。蔵内氏は「あり得ない」と否定。その後も進退を問われると「議会改革を前に進めるのが議長の仕事だ」と繰り返していた。

疑惑を最初に証言した吉松源昭議員(58)は24日、報道陣の取材に「説明責任がなくなるわけではない。記者会見で県民に説明するべきだ」と語気を強めた。

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