福岡県議会の金銭授受疑惑を巡り、第2会派に所属した元県議の新村雅彦氏(74)が23日、福岡県庁で記者会見を開き、2012年の副議長就任前に、蔵内勇夫前議長(議員辞職)に現金500万円を手渡したことを明らかにした。正副議長経験者による実名での証言は4人目で、蔵内氏への直接支払いに言及したのは初めて。
これまでの実名証言
金銭授受疑惑を巡っては、これまでに正副議長経験者3人が自民党県議団幹部への金銭支払いを実名で証言している。疑惑が浮上したのは7月上旬で、吉松源昭議員(少数会派)が2020年6月の議長就任前に、当時所属していた自民県議団幹部へゴルフ代や飲食代などの名目で約2000万円を支払ったと明かした。
このうち1000万円は当時の県議団幹事長・中尾正幸前副議長(議員辞職)の指示を受け、19年10月16日に当時の県議団会長・松本国寛議員に渡したと主張。その前日に銀行口座から同額を引き出したことを示す通帳記録や中尾氏の発言を記録したとする音声データも公表している。
他の議員の証言と否定の構え
自民県議団からは、吉松氏と同時期に副議長だった江藤秀之議員が約800万円、17年5月に議長に就任した樋口明議員が600万円超をそれぞれ正副議長就任前に支払ったと明らかにした。樋口氏がゴルフ代などの費用負担を証言した16年4月当時、県議団では会長を原口剣生議員、幹事長を松尾統章議員が務めていた。
読売新聞の取材では他にも匿名で支払いを認めた元議長がいる。正副議長経験者以外からも実名での金銭支払いの証言が出ており、自民県議団に所属する井上正文議員は22日、読売新聞の取材に応じ、農林水産委員会委員長だった25年、県議団幹部らにゴルフコンペを開くよう要求を受け、蔵内勇夫前議長を含む参加者のゴルフ代や飲食代など約80万円を負担したと主張している。
一方、県議団幹部を歴任し、蔵内氏とともに「5人衆」と呼ばれた、中尾氏、原口氏、松本氏、松尾氏は金銭受け取りへの関与を一貫して否定している。
調査の進展
疑惑を巡っては、日本弁護士連合会の指針に基づく第三者委員会が調査を進めている。県議会も今月17日、真相解明を目指し、地方自治法100条に基づく調査特別委員会(百条委員会)の設置を決めた。