大分で「ニセ警察詐欺」急増、今年70件・約4.5億円被害 巧妙化する手口に注意
大分でニセ警察詐欺急増、今年70件・約4.5億円被害

警察官を装って現金をだまし取る「ニセ警察詐欺」の被害が大分県内で後を絶たない。今年は8月末時点で70件(前年比3件増)、約4億5300万円(同約1億740万円増)の被害が発生しており、県警は幅広い世代が被害に遭っているとして注意を呼びかけている。

被害女性の実例:1日で約4800万円を失う

8月下旬、千葉県警の警察官を名乗る男から大分市内の40歳代の女性に電話があった。女性は指示に従い、男のLINEアカウントを追加。ビデオ通話で警察手帳を見せられ、犯罪グループの構成員リストや、心当たりのない金融機関のキャッシュカードの画像も送られた。

男から「千葉まで来られるか」と聞かれた女性が行けないと伝えると、自身の名前が書かれた逮捕状の画像が届いた。「このままだとあなたを逮捕しないといけない」などと言葉巧みに追い込まれ、当日中に銀行窓口から指定口座へ4380万円を送金。さらに数時間後には、外国人名義の個人口座にインターネットバンキングで426万円を振り込んだ。

その後、金融機関からの通報を受けた大分県警大分南署が女性に連絡し、被害に気付いた。1日で計約4800万円を失った。

被害は右肩上がり、若年層も上位に

県警によると、県内では2024年秋ごろからニセ警察詐欺の被害が増え始めた。被害額は2023年が約1890万円(3件)、2024年が約4億9530万円(50件)、2025年は約6億700万円(111件)と増加の一途をたどっている。

今年に入り8月末までに発生した特殊詐欺の被害額は計約16億1370万円(491件)。このうちニセ警察詐欺は約4億5310万円(70件)で全体の約3割を占める。被害者の年齢別では65歳以上(32人)が最も多いが、20歳代(12人)、30歳代(8人)と若年層も上位に入っている。

巧妙化する手口と県警の呼びかけ

ニセ警察詐欺は、スマートフォンや固定電話への着信から始まり、SNSへ誘導した後、ビデオ通話やチャットで偽物の逮捕状を示すなど、相手を信じ込ませる工夫がちりばめられている。偽の警察官につなぐ前段階として、「あなた宛ての荷物が届いた」と郵便局員を名乗ったり、「あなたのメールアドレスから迷惑メールが送信されている」と通信業者をかたったりするなど、複数の人物が登場し、話が作り込まれ、巧妙化していく傾向にあるという。

県警安全・安心まちづくり推進室の長畑陽子室長は「警察が捜査名目でお金の送金の依頼をすることはない。SNSでの取り調べに応じやすくするため、居住地から遠い県の警察官を名乗るケースもある。矢継ぎ早に話を展開されて不安をあおられると思うが、焦らずに電話を切り、近くの警察署などに相談してほしい」と話した。