被爆者の手記や詩を朗読、命の尊さ伝える 香川の市民団体
被爆者の手記や詩を朗読、命の尊さ伝える 香川の市民団体

香川県内で40~50歳代の市民らが、被爆者の手記や詩を朗読する活動に取り組んでいる。「一人一人の命の尊さを心を込めて伝えたい」と、ヒロシマ・ナガサキの祈りを受け継ぎ、平和への願いを新たにしている。

高松で朗読会、8月9日に開催

今年の朗読会は、長崎原爆忌の9日、高松市松島町の「たかまつミライエ」6階で開かれる。午後2時から4時までで、入場無料。申し込みをした人が優先的に入場できる。

メンバーの蓮井美加さん(53)は「戦争を知らない若い世代にぜひ来てほしい。戦争や平和について考える時間にしてくれれば」と話す。

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東日本大震災が転機に

活動の中心を担う蓮井さんは、高松市で生まれ育ち、18歳で上京して舞台俳優やシャンソン歌手として活躍。転機は2011年の東日本大震災だった。甚大な被害を前に「今までやってきたことを生かし、復興していく社会の役に立ちたい」と願ったが、無力感にさいなまれた。

2016年に高松へ戻り、俳優の広瀬多加代さん(88)の朗読会を目にした。かつて共演した広瀬さんから「後継者」を打診された。広瀬さんは原爆ドームを訪れて衝撃を受け、2005年8月6日から朗読に打ち込んでいた。

カラー写真が道を開く

蓮井さんはその頃、テレビで原爆投下直後の写真が最新技術でカラー再現されたのを目にした。爆心地から2キロ先の御幸橋付近でやけどを負った被爆者が身を寄せる様子だった。「この写真のように手記や詩を朗読すれば、白黒の文字を色鮮やかに見せられるのでは」と道が見えた。

蓮井さんは広瀬さんの依頼を承諾し、2018年から活動に参加。今は4人の仲間も加わり、作品収集やチラシ作成も手がける。「万が一、日本がこの先戦争に向かったとき、『NO』と言える人を一人でも増やしたい。そのためにも活動はやめられない」と静かに、力を込めて語る。

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