兵庫県所管の児童相談所(児相)で2025年度に受け付けた児童虐待の相談件数は、過去最多の6251件(前年度比10・2%増)になったことが県のまとめで分かった。県警との連携強化に伴って児相への通告が増えたことや、子どもの面前での暴力に対する社会的意識の高まりが影響した。
県全体でも過去最多
神戸市と明石市の児相を合わせた県全体の相談件数も、過去最多の1万177件(同6%増)だった。県所管の児相は25年度まで7か所だったが、26年度から尼崎市が新たに児相を開設し、6か所に減った。
6251件の内訳は、心理的虐待が3972件(63・5%)と最多。子どもの前で家族に暴力をふるう「面前DV」への、社会的意識の高まりが背景にある。次いで身体的虐待1291件(20・7%)、ネグレクト921件(14・7%)、性的虐待67件(1・1%)の順だった。
被害者の4分の3が小学生以下
被害を受けた子どもの年齢は、6~12歳が2636件(42・2%)、0~5歳が2112件(33・8%)で、小学生以下が4分の3を占めた。13~15歳が992件(15・9%)、16~17歳が465件(7・4%)、18歳以上が46件(0・7%)だった。また主な虐待者は実父3099件(49・6%)、実母2634件(42・1%)などとなった。
相談の経路は警察が4268件(68・3%)で、前年度から549件(14・8%)増えた。県と県警が24年10月から児童虐待の情報をリアルタイムで共有するシステムを導入するなど、連携強化の効果もあった。
人員不足が課題
児相は慢性的に人手不足が続いている。県によると、6児相で対応する専門職の児童福祉司は、政令で本来必要な152人に対し、今年4月時点の配置は134人。件数の増加に採用が追いつかないという。
県児童家庭課の担当者は「早急に人員体制を整え、全ての相談に適切に対応できるようにしていきたい」と話している。
虐待を疑うことがあれば、最寄りの児相につながる24時間対応の全国共通ダイヤル「189(いちはやく、通話無料)」へ。