「検察なめんなよ」取り調べ映像、主任検事が捜査終了後に確認「適正さ欠く」と証言
「検察なめんなよ」映像、主任検事が捜査終了後に確認と証言

大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件で、違法な取り調べをしたとして特別公務員暴行陵虐罪の付審判決定を受けた検事、田渕大輔被告(54)の第3回公判が24日、大阪地裁で開かれ、捜査を指揮した主任検事の証人尋問が行われた。主任検事は田渕被告の取り調べ映像について、捜査終了後に初めて確認したとし、「(取り調べは)適正さを欠くと思った」と証言した。

主任検事の証言内容

起訴状にあたる付審判決定では、田渕被告は2019年12月8、9日、大阪市の不動産開発会社「プレサンスコーポレーション」(現・プレサンス)の元部長(61)(有罪確定)の取り調べで机をたたき、「検察なめんなよ」などと発言したとされる。元部長はこの取り調べの後、社長だった山岸忍氏(63)(無罪確定)の事件への関与を認め、特捜部は同16日に山岸氏を逮捕した。

主任検事は蜂須賀三紀雄検事(53)(現・千葉地検刑事部長)で、検察官役の指定弁護士側の証人として出廷した。蜂須賀検事の証言によると、同19日、事件の取り調べをチェックしていた公判部検事から、田渕被告が机をたたいたり大声を出したりしていたが、任意性に問題はないと報告を受けた。取り調べ映像を確認する必要はないと判断したという。

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捜査指揮の経緯

翌20日、地検トップの検事正や次席検事らと、容疑者らの刑事処分を検討する会議が開かれた。検事正か次席検事が田渕被告の取り調べに言及したが、その場で映像は見ず、山岸氏らの起訴を決めたという。

蜂須賀検事は証人尋問で、捜査当初は山岸氏の逮捕に消極的だったと説明。検事正らとの会議の当日朝、特捜部長から、副部長と自身に対し、田渕被告が机をたたいたり大声を出したりした回数を確認するようメールで指示を受けたとし、「副部長が対応したと思う」と語った。

公判の行方

7月の初公判では、問題の取り調べの2日前に蜂須賀検事が田渕被告らに送った「本当に悪いやつの処分をどうするのか、上級庁から報告を求められている」とのメールが証拠採用された。このメールについて蜂須賀検事は、「本当に悪いやつ」は山岸氏を指すと証言した。取り調べ映像については、捜査終了後の報道をきっかけに自ら確認し、全体的に不適正だと思ったと述べた。

指定弁護士の立証はこの日で終了した。次回は10月6日で、弁護側の冒頭陳述や証拠調べが行われる予定。閉廷後、指定弁護士の山口昌之弁護士が大阪市内で記者会見し、「組織内の捜査の流れや、主任検事が持つストーリーが、田渕被告ら検事にどのように伝えられていたのかを明らかにした」と語った。田渕被告の弁護団の森直也弁護士も会見し、「検察庁の判断の下に取り調べが行われてきたとすれば、田渕被告一人の責任になっていいのか」と訴えた。

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