13日夜に発生した千葉豪雨で、道路や線路の下を通るアンダーパスの冠水が、千葉県内15市町の46か所で起きていたことが、自治体などへの取材で分かった。冠水した場所では車の浸水が相次ぎ、計2人が死亡した。
JR千葉駅近くの地下道は2時間半で天井近くまで浸水
JR千葉駅(千葉市中央区)近くを走る自動車専用道路「駅前地下道」(全長約350メートル、高さ約4.7メートル、幅約9.5メートル)では、千葉市が設置したカメラに、道路にあふれた水が流れ込み、わずか2時間半で天井付近まで水かさが増す様子が記録されていた。
出入り口付近に水が少しずつたまり始めたのは13日午後6時。約1時間後には乗用車1台が水につかって動けなくなり、ドライバーがドアを開けて脱出した20分後に車は水に沈んだ。午後8時半には地下道の天井に迫る水位に達していた。
市はこの地下道に毎分3.89立方メートル(家庭用の風呂15~20杯分)を排水できるポンプを3台設置していたが、排水が追いつかなかった。市中央・美浜土木事務所は「想定を超える雨量だった」と振り返る。
冠水は県北西部で目立つ、気象庁は観測史上最多の雨量を記録
国土交通省千葉国道事務所などは、大雨時に冠水の恐れがある県内のアンダーパスやトンネルなど95か所を記した「注意箇所マップ」をホームページで公表している。このうち、自治体などへの取材で冠水が確認されたのは46か所。千葉市で15か所、船橋市と我孫子市、松戸市で各4か所など、気象庁の「レベル5大雨特別警報」が出された県北西部で目立った。
気象庁によると、千葉市中央区では14日朝までの24時間降水量が観測史上最多の367ミリを記録。同区稲荷町のアンダーパスでは、水没した乗用車に乗っていた60歳代女性が遺体で見つかり、排水ポンプが作動しなかった同区村田町のアンダーパスでも40歳代男性が亡くなった。
千葉市の対策も及ばず、国は進入防止策を検討
千葉市はアンダーパスの冠水対策として、水位に応じて「通行注意」や「通行止め」を表示する「道路情報板」を設置し、「遮断機」を導入するなど対策を進めてきた。冠水情報を即時にウェブで発信する「地下道冠水情報システム」も運用していたが、被害は防ぎきれなかった。
高市首相は18日、冠水したアンダーパスへの進入を防ぐ対策の強化を関係省庁に指示した。国交省は物理的に通行を止めたり、運転者にリスクを周知したりするなどの対策を検討している。
水害対策に詳しい東京理科大の二瓶泰雄教授(河川工学)は「ここ数年の豪雨はこれまでの想定を超え、自治体だけでは対応に限界がある」と指摘。突然の豪雨に見舞われたドライバーのために、「冠水や注意箇所の情報をカーナビなどで即時に伝えるサービスがあれば有効だ」と話している。



