国の指定難病「色素性乾皮症」(XP)の治療法開発が、新貝海陽ちゃん(5)をきっかけに進んでいる。治療法の開発に取り組む大阪医科薬科大の森脇真一教授(64)は「XP患者の根治に向けて研究を進めてきた。どうにか患者を救いたい」と力を込める。
患者家族との出会いが研究を前進
森脇教授が海陽ちゃんと出会ったのは約5年前。かつて勤務していた浜松医科大からの紹介状を携えた両親と海陽ちゃんが診察室を訪れ、遺伝子検査の結果、母・真夕さん(38)らに「色素性乾皮症です」と告げた。真夕さんは取り乱すことなく診断結果を受け止めた。
その後、海陽ちゃんの父・篤司さん(43)が東京大の岡田尚巳教授(遺伝子・細胞治療)と出会い、「一緒に研究しませんか」と誘われた森脇教授は共同研究に踏み切った。現在は、紫外線によって傷ついたDNAを治す働きを復活させる研究を進めている。
研究の歴史と今後の課題
森脇教授が初めてXP患者と出会ったのは京都大大学院時代。皮膚科の研究室で患者から採取した細胞を観察し、「紫外線を浴びせると細胞が死ぬ。あんな光景は初めてだった」と振り返る。
1998年に浜松医科大の大学病院に入局後、XPの診断のために全国の患者の検体を受け入れ始めた。「診断すると親は泣き、『治療法はないですか』と尋ねてくる。あの姿が今でも頭から離れず原動力になっている」と語る。
患者家族のSNSなどでの発信も大きく、「新貝さんのおかげで岡田教授とつながり、研究が進んだ。また、患者の家族による発信でXPが広く知られるようになった」と感謝する。
今後の研究のカギは、企業や医師の協力だ。希少疾患の研究は注目されることが少ないため、XPを研究する医師は数少ない。森脇教授は「医者のマンパワーが足りない。多くの医師に研究してもらい、治療法を開発するために企業などにも後押ししてもらいたい」と訴える。



