血管の専門医である池谷敏郎氏(池谷医院院長、医学博士)は、糖質制限を成功させるためには、口にする食品の糖質量を把握することが第一歩だと指摘する。自身も「ゆる糖質ライフ」を始めた当初は、ポケットサイズの「糖質量事典」を常に持ち歩き、食事の前に糖質量をチェックする習慣を徹底していたという。
「隠れ糖質」に注意
池谷氏は、お米やパン、甘いものを控えていてもダイエットが進まず、血糖値が気になる場合は、飲み物を疑ってみるべきだと述べる。特に「甘いという意識がないのに糖質を含むもの」は要注意で、これらは「隠れ糖質」と呼ばれる。例えば、一見ヘルシーに見える野菜ジュースやスポーツドリンク、清涼飲料水などは、思いのほか糖質が多く含まれているケースがある。
危険な飲み物とは
池谷氏によれば、最悪の場合、意識障害で倒れることもあるという。水代わりのつもりで飲んでいる飲み物が、血糖値を強烈に上昇させる危険性をはらんでいる。特に、糖質制限中に「甘くないから大丈夫」と油断して飲む飲料は、血糖値を乱高下させ、血管にとって最悪のシナリオを引き起こす可能性がある。
池谷氏は「糖質制限を成功させるには、飲み物の糖質量にも目を向けるべきだ」と強調する。現代特有の落とし穴として、清涼飲料水や果汁入り飲料、さらには一部のミネラルウォーターにも糖質が添加されていることがあるという。
糖質制限の実践方法
池谷氏は、糖質制限を始めた当初、ポケットサイズの糖質量事典を持ち歩き、食事の前にチェックする習慣を続けた。最近では、スマートフォンのアプリを使って食品写真を撮ったり、バーコードを読み取るだけで糖質量が分かるツールもあり、これらを活用するのも便利だと勧めている。
「最初は毎回調べるのが手間に感じるかもしれませんが、繰り返すうちに、よく食べる食品の糖質量は自然と頭に定着します。一度覚えてしまえば、調べなくても感覚的に正しい選択ができるようになります」と池谷氏は語る。
やせ型でも注意が必要
池谷氏は、やせ型の人でも「急性の糖尿病」に陥るメカニズムについても解説。血糖値の急激な上昇と下降を繰り返すことで、インスリンの分泌が乱れ、糖尿病のリスクが高まるという。特に、糖質を多く含む飲み物を日常的に摂取することは、知らず知らずのうちに血管を傷つけ、健康を損なう原因になり得る。
本稿は、池谷敏郎著『血管の専門医が30年間欠かさない すごい習慣』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものである。



