大阪大と東京大などの研究グループは、40歳未満で発症する大腸がんの約7割に、毒素を作る特殊な大腸菌が関与していることを突き止めた。大腸がんの仕組み解明や予防法の開発につながる成果として注目される。
日本人の大腸がんに特徴的な原因
大腸がんは日本人のがんの中で最も多く、若い患者も増えている。世界的に見ても日本は突出して多い傾向にあり、食生活の欧米化や生活習慣の変化が原因とされてきたが、それだけでは説明できないとされてきた。
東京大の柴田龍弘教授らの国際共同研究(2025年)で、日本の大腸がんには特殊な大腸菌が作る毒素が関与する割合が他国より多いことが示された。しかし、対象約1千人のうち日本人は28人にとどまり、さらなる調査が必要だった。
200人規模のゲノム解析で実態を解明
今回、研究チームは日本人200人の大腸がん細胞のゲノム変異を解析。変異パターンから原因を推定したところ、患者の44.8%に「コリバクチン毒素」による変異の痕跡が見つかった。主にがんと関係する遺伝子で変異が確認され、がんの原因と関わると推定された。
特に、40歳未満で発症した若年発症大腸がんでは、7割にこの毒素関連の変異が見られた。毒素による変異は10歳未満で起こり始める可能性も示唆されており、今後の予防法開発が期待される。



